研削砥石特別教育には、「自由研削砥石特別教育」と「機械研削砥石特別教育」の2種類ありますが、使用する工具によって受講する講習が異なります。
受講する特別教育によって講習時間やカリキュラムが異なるため、自分が受講する講習の概要と内容について情報を集めておきましょう。
ここでは、研削砥石特別教育の種類と概要、自由・機械それぞれのカリキュラムと受講対象者について解説します。
目次
研削砥石特別教育には2つの種類がある

研削砥石は、円盤状で全体が焼結しています。砥石を高速回転させて使用しますが、ダイヤモンドホイールのように砥石が金属の台金に密着しているものとは安全基準が異なります。
グラインダーや研削盤ともに機械の主軸に取り付け、回転させて切断しますが、研削作業は砥石が高速回転するため、作業者が必要な知識を身に付けていないと非常に危険な作業です。
そのため、労働安全衛生法(労働安全衛生規則)では、研削用砥石の取替え時や試運転の業務は「危険が伴う業務」と定められ、作業従事者は特別教育の受講が義務付けられています。
研削といし特別教育が義務付けられている根拠は、以下の法令によって定められています。
根拠法令
労働安全衛生法 第59条第3項
事業者は、危険又は有害な業務で厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない。
労働安全衛生規則 第36条第1号
研削といしの取替え又は取替え時の試運転の業務。
安全衛生特別教育規程 第1条
労働安全衛生規則第36条第1号に掲げる業務に係る特別教育は、学科教育及び実技教育により行うものとする。
特別教育を受講せずに作業者を従事させた場合、事業者は、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金、作業者は50万円以下の罰金に処せられるので注意しましょう。
また、研削砥石特別教育には、「自由研削砥石特別教育」と「機械研削砥石特別教育」の2種類あります。
つまり、携帯用グラインダーや卓上グラインダー、切断機などは自由研削砥石、研削盤などは機械研削砥石に該当します。
では、研削砥石特別教育の内容はそれぞれでどのように異なるのでしょうか?ここからは自由研削砥石特別教育と機械研削砥石特別教育の内容について解説します。
自由研削砥石特別教育の内容
まず、自由研削砥石特別教育の内容を解説します。自由研削砥石の受講対象者や講習のカリキュラムをセットで確認しましょう。
自由研削砥石特別教育の受講対象者
自由研削砥石特別教育は、「自由研削用砥石の取替え又は取替え時の試運転の業務」に従事する方が受講対象者です。
グラインダーや切断機などの電動工具が自由研削砥石特別教育に該当します。
次項で紹介するカリキュラムを確認して、特別教育の講習内容に関する情報を集めてください。
自由研削砥石特別教育のカリキュラム
自由研削砥石特別教育は、次のカリキュラムで実施されます。
| 教育科目 | 受講内容 | 講習時間 |
|---|---|---|
| 自由研削用研削盤、自由研削用砥石、取付け具などに関する知識 | ・自由研削用研削盤の種類及び構造並びにその取扱い方法 ・自由研削用砥石の種類、構成、表示及び安全度並びにその取扱い方法 ・取付け具・覆い・保護具 |
2時間 |
| 自由研削用砥石の取付け方法及び試運転の方法に関する知識 | ・自由研削用研削盤と自由研削用砥石との適合確認 ・自由研削用砥石の外観検査及び打音検査 ・取付け具の締付け方法及び締付け力 ・バランスの取り方 ・試運転の方法 |
1時間 |
| 関係法令 | ・法、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)及び安衛則中の関係条項 | 1時間 |
| 実技教育 | ・自由研削用砥石の取付け方法及び試運転の方法 | 2時間 |
上記が自由研削砥石特別教育のカリキュラムです。研削砥石の別種類である「機械研削砥石特別教育」に比べると、受講時間が短いのが特徴です。
しかし、作業従事者の安全を確保するために実施するので、特別教育を受講する方は現場で必要な知識を身に付けるためにも真剣に臨みましょう。
次のセクションで紹介する機械研削砥石特別教育の内容を確認して、自分が従事する作業に適した特別教育を受講してください。
機械研削砥石特別教育の内容
ここでは、機械研削砥石特別教育の内容を解説します。受講対象者や講習のカリキュラムについて確認してください。
機械研削砥石特別教育の受講対象者
機械研削砥石特別教育は、「機械研削用砥石の取替え又は取替え時の試運転の業務」に従事する方が受講対象者です。
平面研削盤や円筒研削盤などの工作機械が機械研削砥石特別教育に該当します。
基本的に特別教育の対象者は、機械研削砥石と自由研削砥石で大きな違いはありません。
取扱う内容によって、受講内容や講習時間が変わってくるので注意しましょう。
機械研削砥石特別教育のカリキュラム
機械研削砥石特別教育は、次のカリキュラムで実施されます。
| 教育科目 | 受講内容 | 講習時間 |
|---|---|---|
| 機械研削用研削盤、機械研削用砥石、取付け具などに関する知識 | ・機械研削用研削盤の種類及び構造並びにその取扱い方法 ・機械研削用砥石の種類、構成、表示及び安全度並びにその取扱い方法 ・取付け具・覆い・保護具・研削液 |
4時間 |
| 機械研削用砥石の取付け方法及び試運転の方法に関する知識 | ・機械研削用研削盤と機械研削用砥石との適合確認 ・機械研削用砥石の外観検査及び打音検査 ・取付け具の締付け方法及び締付け力 ・バランスのとり方 ・試運転の方法 |
2時間 |
| 関係法令 | ・法、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)及び安衛則中の関係条項 | 1時間 |
| 実技教育 | ・機械研削用砥石の取付け方法及び試運転の方法 | 3時間 |
自由研削砥石特別教育と異なり、機械研削用の砥石盤や砥石、取付け具などの内容を中心に特別教育が実施されます。

講習時間も自由研削砥石特別教育と異なるため、機械研削砥石特別教育を受講する方は、受講内容と講習時間を必ず確認してください。
特別教育を受講して修了証を手にすることで、機械研削用砥石の業務に従事できます。
研削といしの取替え等業務特別教育はどこで受けられる?
研削砥石特別教育は、各都道府県の労働基準協会や民間の登録教習機関で受講可能です。また、社内に有識者がいる場合は事業所内での実施も認められています。
最近では、移動時間や拘束時間を短縮できる「オンライン受講」を選択する方も増えています。自身のライフスタイルや業務スケジュールに合わせて最適な受講方法を選びましょう。
関連リンク:研削といしの取替え等業務特別教育を実施している全国の講習機関まとめ
砥石特別教育は作業者の安全のために重要な講習

今回の記事では、研削砥石特別教育の種類と概要、それぞれの受講内容について解説しました。
自由研削砥石特別教育と機械研削砥石特別教育では、受講時間が6時間と10時間でそれぞれ異なりますが、どちらも作業者の安全を確保するために重要な講習です。
罰則もあるため、特別教育を受講せずに作業するのは絶対にやめましょう。
グラインダーや切断機、研削盤のいずれかを使用する際に、大けがをせず安全に作業するためにも特別教育を受講して必要な知識を身に付けてください。
自由研削砥石特別教育をオンラインで受講する
なお、通信教育のSATでは、自由研削砥石特別教育をオンラインで受講することができます。オンライン受講の場合は学科をオンラインで受講し、実技に関しては各事業者様ごとに実技実施責任者(経験者)のもと対面で行っていただきます。

オンライン受講は事前予約の必要もなく、ご購入いただいた後(銀行振込やコンビニ払いの場合はご入金後)すぐに受講開始できます。手軽に素早く受講したい方などは特におすすめです。
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よくある質問
研削砥石特別教育に関して、受講を検討されている方から寄せられる「よくある質問」をまとめました。服装や費用など、受講前に気になるポイントを確認しておきましょう。
自由研削といしの取替え等特別教育の服装はどうすればいい?
実技講習が含まれるため、基本的には作業服、または作業に適した動きやすく露出の少ない服装での受講が推奨されます。サンダルや半ズボンなどは安全上の理由から禁止されている場合がほとんどです。また、会場によってはヘルメットや保護具の持参が必要なケースもあるため、事前に案内を確認しましょう。
(参考:技術技能講習センター FAQ)
といし交換の資格取得にいくらかかる?
受講費用は実施機関によって異なりますが、自由研削砥石の場合でおおよそ10,000円〜15,000円程度、機械研削砥石の場合は講習時間が長いため15,000円〜25,000円程度が相場です。これにテキスト代が別途加算される場合があります。事前に各教習機関の公式サイト等で費用詳細を確認しましょう。
まとめ
研削砥石の業務は、一歩間違えれば死亡事故にもつながりかねない危険を伴います。そのため、自由研削・機械研削それぞれの特性に合わせた正しい知識の習得が法的に義務付けられています。
- 自由研削:合計6時間の教育が必要(グラインダー、切断機など)
- 機械研削:合計10時間の教育が必要(平面研削盤、円筒研削盤など)
自身の担当する業務内容を正しく把握し、適切な特別教育を受講して安全な作業環境を整えましょう。罰則を避けるためだけでなく、自分や同僚の安全を守るために非常に重要な講習です。










