足場の組立てや解体、変更などの作業に従事する場合、「足場特別教育」の受講が必要になります。
この教育は労働安全衛生法に基づき実施されるもので、対象となる業務に就く前に受講しておく必要があります。
この記事では、足場特別教育の基礎知識と資格の取得方法について分かりやすく解説します。
目次
足場特別教育の基礎知識

足場特別教育の基本的な内容と、足場特別教育の目的、特別教育と主任者技能講習との違いについて紹介します。
足場特別教育とは?
建設工事で組立てる足場は、高所作業を安全に行うために欠かせません。しかし、足場からの転落や墜落、組立て不備による足場の倒壊といった労働災害が多く発生しています。
このような事故を防止するため、足場の組立てなどの作業に従事する労働者には、事業者が「足場特別教育」を実施することが法律で義務付けられています。
足場特別教育が義務付けられている根拠は、以下の法令によって定められています。
根拠法令
労働安全衛生法 第59条第3項
事業者は、危険又は有害な業務で厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない。
労働安全衛生規則 第36条第39号
足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く)。
安全衛生特別教育規程 第22条
労働安全衛生規則第36条第39号に掲げる業務に係る特別教育は、学科教育により行うものとする。
つまり、足場の組立て・解体・変更などの作業に関わる作業員は、事前に特別教育を受講していなければ業務に従事することができません。事業者には教育の実施義務があり、適切な安全教育を行うことが労働災害防止につながります。

これらの労働災害の防止を強化するため、労働安全衛生規則を一部改正し、足場特別教育が平成27年7月1日より義務化されたのです。
足場特別教育の取得が必要な対象業務は、足場の組立て、解体、変更に関わる業務です。つり足場と張出し足場を除き、足場の高さに規定がないので、全ての高さの足場を組む人が取得の対象となります。
ただし、地上または床上での足場材の運搬、整理といった補助作業や、足場での高所作業は対象業務に含まれません。
足場の組立て等作業主任者技能講習との違い
足場特別教育は「作業者の安全衛生教育」で、足場の組立て等作業主任者技能講習は「足場の組立て作業の指揮監督者を養成するための講習」で、 つり足場や張出し足場、高さ5メートル以上の足場の組立て、解体、変更において、作業者に指示を出すために、足場の構造や組立て方の知識を問う資格です。

つまり、足場特別教育では作業主任者になれず、作業現場の指揮監督はできません。足場特別教育よりも上位資格にあたるため、作業員からのキャリアアップに役立ちます。
作業主任者は満21歳以上で、足場の組立てや解体、変更の作業に3年以上従事していることが受講資格で、13時間の技能講習と修了試験に合格すると取得できます。
なお、作業主任者技能講習を取得済みの場合、有資格者とみなされるため、特別教育は不要になります。
足場特別教育の受講方法
足場特別教育の講習内容と、修了するまでの流れを紹介します。
足場特別教育の講習
足場特別教育の講習時間は6時間です。科目ごとの受講時間は以下の通りです。
| 足場特別教育の講習内容と受講時間 | |||
|---|---|---|---|
| No. | 内容 | 講習時間 (6時間の場合) |
|
| 1 | 足場及び作業の方法に関する知識 | 3時間 | |
| 2 | 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 | 30分 | |
| 3 | 労働災害の防止に関する知識 | 1時間30分 | |
| 4 | 関係法令 | 1時間 | |
これらの科目を全て受講した後、発行される修了証を受け取れば該当の足場作業に従事できるようになります。
ただし、平成27年7月1日現在で足場作業に従事している方は講習時間が短縮される場合もあります。(事業者の経験証明が必要)※SATでは扱っておりません。
受講料と受講資格
足場特別教育には受講資格がなく、実務経験がなくても受講できます。
- 受講料金の目安:9,000円〜11,000円前後(教材費込)
- 対象年齢:18歳以上(年少者労働基準規則による就業制限があるため、実務は18歳からとなります)
足場特別教育の受講方法
足場特別教育は、主に以下の3つの方法で受講可能です。
建設業労働災害防止協会の各都道府県支部
建設業の労働災害防止を目的に設立された団体で、各都道府県に支部を持ちます。また、勤務する会社がこの団体の会員の場合、非会員よりも費用が割引になります。
労働技能講習協会
一般社団法人の労働技能講習協会は、建設に関係するさまざまな講習を開催しています。また、企業への出張講習を行っており、会社内で受講できることもあります。
Web講座
Web講座とは、インターネットの動画やDVDとテキストを用い、自宅で講習が受けられるものです。講習会に出向く必要がないので、日常業務が忙しい方におすすめの方法です。
各機関で受講する場合、受講修了時に修了証が受け取れますが、Web講座ではEラーニングシステム内で「最終試験」を受け、合格しないと修了証が発行されません。
つまり、講習内容の理解度が高まり、実務に役立つスキルが身につきます。

講習会に行くのが難しい方や、最短で受講を修了したい方は足場の特別教育のWeb講座を選ぶといいでしょう。
足場特別教育のテキストについて

足場特別教育を受講する際、受講料金にはテキスト用の教材費が含まれていることが一般的です。そのため、足場特別教育の受講の際は、筆記用具などの基本的な持ち物があれば問題ありません。
ただし、足場の組立て等特別教育に関する以下のテキストも販売されています。
| No. | 名 称 | 価 格(税込) |
|---|---|---|
| 1 | 足場の組立て、解体、変更業務従事者安全必携 | 880円 |

足場の組立て等特別教育の予習や復習、特別教育の受講後にテキストを紛失した場合など、必要に応じて購入するといいでしょう。
労働災害の防止のためにも足場特別教育はしっかりおさえよう!
足場作業は高所作業が多く、常に危険と隣り合わせです。自分自身と仲間の命を守るためにも、正しい知識を習得しましょう。足場特別教育は、会場講習のほか、オンライン(Web)で受講することができます。
SATの足場特別教育講座では、現場で必要となる知識を分かりやすく解説した講義動画で、必要な知識を効率よく学ぶことができます。あらかじめ収録された講義動画を視聴して学習するため、24時間いつでも好きな時に受講ができます。

足場の組立て等特別教育はオンラインがとても便利でおすすめです。SATの講座はHPに講義サンプル動画を公開しているので、そちらもぜひご覧ください。
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足場特別教育に関するよくある質問
関連リンク:足場特別教育のギモン解決!よくある質問&答えのまとめ
足場特別教育とは?
足場特別教育とは、足場からの転落や墜落、組立て不備による倒壊といった労働災害を防止するために実施される講習のことです。
平成27年7月1日より実施が義務化されており、足場の組立てや解体、変更に関わる業務従事者を対象に実施されます。建設工事における足場は高所作業を安全に行うために必要不可欠なので、作業従事者は特別教育を通して必要な知識を身につけましょう。
特別教育と作業主任者講習の違いとは?
足場特別教育とは別に、足場の組立て等作業主任者技能講習があります。足場特別教育は作業者に対して行う安全衛生教育なのに対し、作業主任者技能講習は作業の指揮監督者を養成するための講習です。
足場の組立てや解体、変更において作業者に指示を出すための必要な知識を学ぶ講習なので、作業に従事するための足場特別教育とは内容が異なります。
足場特別教育の受講方法は?
足場特別教育の受講方法として、以下の機関や団体の講習会に参加する方法が挙げられます。
・建設業労働災害防止協会の各都道府県支部
・労働技能講習協会
また、講習会に参加するのが難しい方にはWeb講座で受講する方法もおすすめです。Web講座であれば場所や時間を選ばず、自分のタイミングで講義を受けられます。
足場の組立てにはどんな資格が必要?
足場の組立て・解体・変更などの作業を行う場合には、安全確保のために必要な教育を受けていることが求められます。
具体的には、作業に従事する労働者に対して足場の組立て等特別教育を実施することが、労働安全衛生法に基づき事業者に義務付けられています。
また、一定規模以上の足場作業では、作業の安全管理を行うために足場の組立て等作業主任者の選任が必要になる場合もあります。
足場の組立て等特別教育を取得するとできることは?
足場の組立て等特別教育を受講すると、足場の組立て・解体・変更に関わる作業に従事することができます。
この教育では、足場の構造や安全な作業手順、墜落防止対策など、作業時に必要となる安全知識を学びます。
なお、この教育を受けていない作業者に足場作業をさせた場合、事業者が労働安全衛生法に基づく教育義務違反となる可能性があります。
そのため、足場作業に関わる場合は事前に特別教育を受講し、安全に作業を行うための知識を身につけることが重要です。
まとめ
足場特別教育は、足場の組立て・解体・変更などの作業に従事する際に必要となる安全教育です。労働安全衛生法に基づき実施が義務付けられており、未受講のまま作業に従事すると事業者が法令違反となる可能性があります。建設現場での転落や墜落などの労働災害を防ぐためにも、事前に講習を受講し、足場作業に必要な安全知識をしっかり身につけておくことが大切です。
近年は会場講習に加え、Web講座で受講できる方法もあり、自分に合った方法で取得できます。










