管工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士ってどんな試験?概要解説!

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管工事に携わる人が受験するため、仕事と試験勉強をいかに両立できるかが合格に影響すると言えます。 限られた時間の中で、どのように勉強すれば効果的なのか、悩む方も多いのではないでしょうか?

今回の記事では、1級管工事施工管理技士の試験概要と合格率、試験のスケジュールや過去問を利用した勉強方法について解説します。

1級管工事施工管理技士とは

1級管工事施工管理技士は、あらゆる配管の設置工事における施工管理のプロとして認められる資格です。

2級と大きく違うのは、特定建設業の専任技術者、一般建設業の主任技術者および監理技術者になることができる点です。

2級では監理技術者になることができません。監理技術者とは、建築一式工事で総額7,000万円以上、それ以外で4,500万円以上の大規模な建設工事において、現場に配置する必要がある役割のことを指します。

1級管工事施工管理技士の試験概要

それでは、1級管工事施工管理技士の試験概要について解説します。 試験の出題内容と一緒に試験地や受験料についても確認しましょう。

受験資格

1級管工事施工管理技士には受験資格があります。

実は施工管理技士の受験資格は令和6年度に大きく改正されました。それに伴い、1級管工事施工管理技士の受験資格も変更されています。下記をご覧ください。

第一次検定第二次検定
19歳以上
(試験実施年度末において)

1級一次検定合格後
実務経験5年以上
特定実務経験1年以上を含む実務経験を3年以上
監理技術者補佐の実務経験1年以上

2級二次検定合格後(1級一次合格者に限る)
実務経験5年以上
特定実務経験1年以上を含む実務経験を3年以上

以上が1級管工事施工管理技士の受験資格です。大きな変更点として、以前まで第一次検定の受験に必要であった実務経験が一切なくなり、年齢の制限のみとなりました。

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これまでの受験制度と比較しても、非常に受験がしやすくなったでしょう。

受験料

1級管工事施工管理技士の受験料は、第一次検定・第二次検定それぞれで10,500円となっています。安い受験料ではないため、受験される方は一発合格を狙って試験に挑みましょう。

試験地

試験は、例年次の10地区で開催されます。

項目詳細
試験地札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇

受験者によっては、住んでいる地域での開催がない方もいるでしょう。 そういった方は、一番近い地区の情報を必ず集めてください。

試験の出題範囲

1級管工事施工管理技士で出題される内容は、次のとおりです。

区分出題内容
第一次検定原論、電気工学、建築学、空調・衛生、設備、設計図書、施工管理法、法規
第二次検定設備全般、工程管理、法規、施工経験記述

上記が出題内容です。 それぞれの試験において、「得点が60%以上」と合格基準が定められています。 選択問題もあるので、自分が点数を稼げる分野を見つけて効率よく勉強していきましょう。

1級管工事施工管理技士の合格率

では、1級管工事施工管理技士の難易度は、どのくらいなのでしょうか? 過去の試験の1級管工事施工管理技士の合格率を確認しながら、試験の難易度について把握しましょう。

実施年度第一次検定第二次検定
受験者数合格者数合格率受験者数合格者数合格率
平成25年16,392人6,384人38.9%8,629人5,849人67.8%
平成26年16,114人6,987人43.4%8,593人5,180人60.3%
平成27年16,517人8,458人51.2%10,620人5,317人50.1%
平成28年16,578人8,130人49.0%11,570人7,054人61.0%
平成29年17,132人7,579人44.2%10,158人6,421人63.2%
平成30年16,473人5,471人33.2%7,608人4,011人52.7%
令和元年16,838人8,769人52.1%10,431人5,492人52.7%
令和2年13,531人4,738人35.0%8,211人5,018人61.1%
令和3年15,827人3,792人24.0%4,540人3.330人73.3%
令和4年16,839人7,231人42.9%6,618人3,769人57.0%

上記が過去10年間の合格率です。 表を見てわかるとおり、第二次検定よりも第一次検定の合格率が低いのが特徴です。また試験年度により、ある程度合格率が上下する傾向があります。

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ただ、合格率全体で見ると第一次検定、第二次検定ともに決してとても低いわけではなく、十分に一発合格を狙える難易度でもあります。

出題された問題から60問選択して解答し、60%以上正答する必要があるので、次のセクションで紹介する試験スケジュールを参考に、試験攻略に向けた計画を立てていきましょう。

【2023年度版】1級管工事施工管理技士の試験スケジュール

1級管工事施工管理技士の申込期間から合格発表までの流れを解説します。 2023(令和5)年度の詳細を例に試験のスケジュールを見ていきましょう。

項目区分詳細
申込期間第一次令和6年5月7日(火)~5月21日(火)
第二次令和6年5月7日(火)~5月21日(火)
試験日第一次令和6年9月1日(日)
第二次令和6年12月1日(日)
合格発表日第一次令和6年10月3日(木)
第二次令和7年3月5日(水)

上記が2024(令和5)年度の試験スケジュールです。

第一次検定と第二次検定それぞれで日程が異なるため、受験する区分の情報を確認してください。 スケジュール確認後は、試験の対策を計画的に実践しましょう。

では、1級管工事施工管理技士の勉強方法は、どういったものが有効なのでしょうか? 次のセクションでは、それぞれの試験区分の勉強方法について解説します。

【第一次試験】過去問を使った勉強方法

1級管工事施工管理技士の第一次検定対策において、過去問の効果的な勉強方法を紹介します。

項目詳細
試験時間午前の部(問題A):2時間30分
午後の部(問題B):2時間
解答形式四肢択一式
出題数・
解答数
出題数73問のうち、60問を選択して解答
配点1問1点、60点満点

第一次検定の詳細は上記のとおりです。 具体的な勉強方法について、情報をみていきましょう。

はじめから過去問を解くべき理由

勉強をはじめるにあたり、知識をインプットしてから問題を解くことが一般的なセオリーでしょう。 しかし、1級管工事施工管理技士の第一次検定は出題範囲が広いため、参考書やテキストを読むだけでかなりの時間がかかってしまいます。

そのため、テキストを読む前に、過去問を実際に解いてみましょう。 1級管工事施工管理技士の第一次検定は出題パターンが似通っているため、先に過去問を解く方法が一番効率的です。

第一次検定の効果的な勉強方法

実際に過去問を使って勉強する際は、何回もくり返し解くことが基本です。 問題を解く中で、問題傾向や解き方のパターンを暗記すると実力が身に付きます。

第一次検定の科目は、管工事の施工に関わる工学、冷暖房などの設備に関する知識、設計図書、施工管理の知識、法規など、幅広い知識が問われます。

これらの科目の中で得意不得意の科目を見極めること、得意科目をできるだけ増やすことがポイントです。 1級管工事施工管理技士の第一次検定は、6割以上正解すれば合格できます。

各科目に合格基準点(足切り)がある試験と異なるため、得意科目が多いほど合格に有利です。

一方、苦手分野が多い場合は、参考書やテキストを併用して、基本的な解き方や知識をインプットしましょう。

【第二次試験】経験記述以外は過去問を使う

第二次検定はマークシートではなく、全て記述式で出題されます。 過去問で対策できる問題と難しい問題があるので、以下のポイントを踏まえて勉強しましょう。

第二次検定で過去問を使うポイント

第二次検定の詳細は、次のとおりです。

項目詳細
試験時間2時間45分
解答形式全問 記述形式
出題数・
解答数
出題数6問のうち4問を選択して解答
配点60点以上
※試験の実施状況により変更の可能性があります。

また、記述式の第二次検定は、以下の内容で構成されています。(※2・3問、3・4問でどちらかを選択)

出題科目出題内容
1.施工要領図(必須)空気調和設備、給排水設備などの施工要領図の判読
2.空気調和設備に関する問題(選択)施工上の留意点を記述
3.給排水衛生設備に関する問題(選択)施工上の留意点を記述
4.工程管理(選択)ネットワーク工程表、日程短縮、山積など
5.法規(設備)労働安全衛生法
6.施工経験記述(必須)出題のテーマにそった施工経験を文章でまとめる

1問目は出題パターンが決まっているので、過去問を使って勉強できます。 一方、2・3問目は実務経験に基づく記述問題のため、過去問だけでは対策できません。

ただし、過去問で書き方のパターンを覚えることは可能です。 また、選択問題のネットワーク工程表は、内容をしっかり理解できれば満点も取れるでしょう。 法規は幅広い内容の暗記が必要なので、どちらを選択するか決めておくことが大切です。

経験記述試験について

最後の問題である経験記述は、管工事の施工管理に必要な実務経験があるか、施工知識があるかを判断する問題です。

1つ目の設問では、施工経験のある工事概要について、「工事件名・工事場所・設備工事概要・現場の立場」を記述します。

ただし、管工事と認められない工事を記入すると、減点されるので注意しましょう。 設問2の経験記述は、以下の4つのテーマから2つが出題される形式です。

項目経験記述のテーマ
1工程管理
2安全管理
3総合的な試運転調整、完成に伴う自主検査のいずれか1つ
4材料、機材の現場受入検査

これらのテーマをもとに、「工事概要・重要と思う事項・実際にとった措置や対策」を文章にまとめて記述します。 しかし、どのテーマが出題されるかは、当日にならないとわかりません。 どのテーマが出題されてもいいように、記述の練習を積むことが重要です。

文章を書き慣れていない方は、模範解答の書き方を参考に、文章作成の基礎を身に付けましょう。 また、手書きで解答する経験記述は、採点者が読みやすいように配慮する必要があります。

文字を丁寧に書く、誤字脱字がないなど、書き方のポイントを踏まえて練習しましょう。 また、記述欄の行数より少ない回答は減点対象です。

そのほか、管工事以外やテーマから外れた内容は不合格になるので注意しましょう。

通信講座が第二次検定対策に効果的

実際の工事概要や実務経験は人によって異なるため、過去問で完璧に対策するのは難しいでしょう。 より実践的な第二次検定の対策をするためには、添削を受けられる通信講座の受講をおすすめします。

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経験記述の添削を受けると、採点者が読みやすくわかりやすい記述を書く力が身に付きます。  仕事と勉強を両立する方にとって、通信講座は時間を有効に使うことに役立つでしょう。

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