管工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士ってどんな試験?概要や合格率・勉強方法まで解説

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1級管工事施工管理技士は、あらゆる配管の設置工事における施工管理のプロとして認められる資格です。

管工事に携わる人が受験するため、仕事と試験勉強をいかに両立できるかが合格に影響すると言えます。 限られた時間の中で、どのように勉強すれば効果的なのか、悩む方も多いのではないでしょうか?

今回の記事では、1級管工事施工管理技士の試験概要と合格率、試験のスケジュールや過去問を利用した勉強方法について解説します。

1級管工事施工管理技士の試験概要

まず、1級管工事施工管理技士の試験概要について解説します。 試験の出題内容と一緒に試験地や受験料についても確認しましょう。

受験資格

1級管工事施工管理技士には受験資格があります。 学科・実地試験のそれぞれにおける受験資格を確認してください。

学歴または資格管工事施工に関する実務経験年数※2
指定学科※1指定学科以外
大学
専門学校「高度専門士」
卒業後3年以上卒業後4年6ヶ月以上
短期大学
高等専門学校
専門学校「専門士」
卒業後5年以上卒業後7年6ヶ月以上
高等学校
専門学校(高度専門士・専門士を除く)
卒業後10年以上11年6ヶ月以上
その他15年以上 

※1 指定学科は、土木工学、都市工学、衛生工学、電気工学、電気通信工学、機械工学または建築学に関する学科を言います。
※2 2級管工事施工管理技術検定合格者や選任の主任技術者の経験が1年以上ある方などは実務経験年数が異なります。詳しくは「こちら」で確認してください。 また、1級の実地試験については次のとおりです。 学科試験の免除に該当する方もいるので、必ず確認してください。

No.詳細
1当年度学科試験合格者および前年度の学科試験合格者
2技術士法第4条第1項の規定による第二次試験のうち、技術部門を機械部門(選択科目を「流体工学」又は「熱工学」とするものに限る)、上下水道部門、衛生工学部門又は総合技術監理部門(選択科目を「流体工学」、「熱工学」又は上下水道部門若しくは衛生工学部門に係るものとするものに限る)とするものに合格した者(技術士法施行規則の一部を改正する省令(平成15年文部科学省令第36号)による改正前の第二次試験のうち、技術部門を機械部門(選択科目を「流体機械」又は「暖冷房及び冷凍機械」とするものに限る)、水道部門、衛生工学部門又は総合技術監理部門(選択科目を「流体機械」、「暖冷房及び冷凍機械」又は水道部門若しくは衛生工学部門とするものに限る)とするものに合格した者を含む)で、受験する1級管工事施工管理技術検定学科試験の受検資格を有する者

上記の受験資格を満たすと実地試験を受験できます。

受験料

1級管工事施工管理技士の受験料は、第一次検定(学科)・第二次検定(実地)試験それぞれで10,500円となっています。
安い受験料ではないため、受験される方は一発合格を狙って試験に挑みましょう。

試験地

試験は、次の10地区で開催されます。

項目詳細
試験地札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇

受験者によっては、住んでいる地域での開催がない方もいるでしょう。 そういった方は、一番近い地区の情報を必ず集めてください。

試験の出題範囲

1級管工事施工管理技士で出題される内容は、次のとおりです。

区分出題内容
学科試験原論、電気工学、建築学、空調・衛生、設備、設計図書、施工管理法、法規
実地試験設備全般、工程管理、法規、施工経験記述

上記が出題内容です。 それぞれの試験において、「得点が60%以上」と合格基準が定められています。 選択問題もあるので、自分が点数を稼げる分野を見つけて効率よく勉強していきましょう。

さらに詳しく!
管工事施工管理技士の受験資格をわかりやすく解説!

1級管工事施工管理技士の合格率

では、1級管工事施工管理技士の難易度は、どのくらいなのでしょうか? 過去10年間の合格率を確認しながら、試験の難易度について把握しましょう。

実施年度学科試験実地試験
受験者数合格者数合格率受験者数合格者数合格率
平成25年16,392人6,384人38.9%8,629人5,849人67.8%
平成26年16,114人6,987人43.4%8,593人5,180人60.3%
平成27年16,517人8,458人51.2%10,620人5,317人50.1%
平成28年16,578人8,130人49.0%11,570人7,054人61.0%
平成29年17,132人7,579人44.2%10,158人6,421人63.2%
平成30年16,473人5,471人33.2%7,608人4,011人52.7%
令和元年16,838人8,769人52.1%10,431人5,492人52.7%
令和2年13,531人4,738人35.0%8,211人5,018人61.1%
令和3年15,827人3,792人24.0%4,540人3.330人73.3%
令和4年16,839人7,231人42.9%6,618人3,769人57.0%

上記が過去10年間の合格率です。 表を見てわかるとおり、実地試験よりも学科試験の合格率が低いのが特徴です。 ただ、合格率全体で見ると第一次検定、第二次検定ともに決して低いわけではなく、十分に一発合格を狙える難易度でもあります。

出題された問題から60問選択して解答し、60%以上正答する必要があるので、次のセクションで紹介する試験スケジュールを参考に、学科試験攻略に向けた計画を立てていきましょう。

【2023年度版】1級管工事施工管理技士の試験スケジュール

1級管工事施工管理技士の申込期間から合格発表までの流れを解説します。 2023(令和5)年度の詳細を例に試験のスケジュールを見ていきましょう。

項目区分詳細
申込期間第一次令和5年5月8日(月)~5月22日(月)
第二次令和5年5月8日(月)~5月22日(月)
試験日第一次令和5年9月3日(日)
第二次令和5年12月3日(日)
合格発表日第一次令和5年10月5日(木)
第二次令和6年3月6日(水)

上記が2023(令和5)年度の試験スケジュールです。

学科試験と実地試験それぞれで日程が異なるため、受験する区分の情報を確認してください。 スケジュール確認後は、試験の対策を計画的に実践しましょう。

では、1級管工事施工管理技士の勉強方法は、どういったものが有効なのでしょうか? 次のセクションでは、それぞれの試験区分の勉強方法について解説します。

【第一次(学科)試験】過去問を使った勉強方法

1級管工事施工管理技士の学科試験対策において、過去問の効果的な勉強方法を紹介します。

項目詳細
試験時間午前の部(問題A):2時間30分
午後の部(問題B):2時間
解答形式四肢択一式
出題数・
解答数
出題数73問のうち、60問を選択して解答
配点1問1点、60点満点

学科試験の詳細は上記のとおりです。 具体的な勉強方法について、情報をみていきましょう。

はじめから過去問を解くべき理由

勉強をはじめるにあたり、知識をインプットしてから問題を解くことが一般的なセオリーでしょう。 しかし、1級管工事施工管理技士の学科試験は出題範囲が広いため、参考書やテキストを読むだけでかなりの時間がかかってしまいます。

そのため、テキストを読む前に、過去問を実際に解いてみましょう。 1級管工事施工管理技士の学科試験は出題パターンが似通っているため、先に過去問を解く方法が一番効率的です。

学科試験の効果的な勉強方法

実際に過去問を使って勉強する際は、何回もくり返し解くことが基本です。 問題を解く中で、問題傾向や解き方のパターンを暗記すると実力が身に付きます。

学科試験の科目は、管工事の施工に関わる工学、冷暖房などの設備に関する知識、設計図書、施工管理の知識、法規など、幅広い知識が問われます。

これらの科目の中で得意不得意の科目を見極めること、得意科目をできるだけ増やすことがポイントです。 1級管工事施工管理技士の学科試験は、6割以上正解すれば合格できます。

各科目に合格基準点(足切り)がある試験と異なるため、得意科目が多いほど合格に有利です。 一方、苦手分野が多い場合は、参考書やテキストを併用して、基本的な解き方や知識をインプットしましょう。

【第二次(実地)試験】経験記述以外は過去問を使う

 実地試験はマークシートではなく、全て記述式で出題されます。 過去問で対策できる問題と難しい問題があるので、以下のポイントを踏まえて勉強しましょう。

実地試験で過去問を使うポイント

実地試験の詳細は、次のとおりです。

項目詳細
試験時間2時間45分
解答形式全問 記述形式
出題数・
解答数
出題数6問のうち4問を選択して解答
配点60点以上
※試験の実施状況により変更の可能性があります。

また、記述式の実地試験は、以下の内容で構成されています。(※2・3問、3・4問でどちらかを選択)

出題科目出題内容
1.施工要領図(必須)空気調和設備、給排水設備などの施工要領図の判読
2.空気調和設備に関する問題(選択)施工上の留意点を記述
3.給排水衛生設備に関する問題(選択)施工上の留意点を記述
4.工程管理(選択)ネットワーク工程表、日程短縮、山積など
5.法規(設備)労働安全衛生法
6.施工経験記述(必須)出題のテーマにそった施工経験を文章でまとめる

1問目は出題パターンが決まっているので、過去問を使って勉強できます。 一方、2・3問目は実務経験に基づく記述問題のため、過去問だけでは対策できません。

ただし、過去問で書き方のパターンを覚えることは可能です。 また、選択問題のネットワーク工程表は、内容をしっかり理解できれば満点も取れるでしょう。 法規は幅広い内容の暗記が必要なので、どちらを選択するか決めておくことが大切です。

経験記述の勉強方法 経験記述は、管工事の施工管理に必要な実務経験があるか、施工知識があるかを判断する問題です。

1つ目の設問では、施工経験のある工事概要について、「工事件名・工事場所・設備工事概要・現場の立場」を記述します。

ただし、管工事と認められない工事を記入すると、減点されるので注意しましょう。 設問2の経験記述は、以下の4つのテーマから2つが出題される形式です。

項目経験記述のテーマ
1工程管理
2安全管理
3総合的な試運転調整、完成に伴う自主検査のいずれか1つ
4材料、機材の現場受入検査

これらのテーマをもとに、「工事概要・重要と思う事項・実際にとった措置や対策」を文章にまとめて記述します。 しかし、どのテーマが出題されるかは、当日にならないとわかりません。 どのテーマが出題されてもいいように、記述の練習を積むことが重要です。

文章を書き慣れていない方は、模範解答の書き方を参考に、文章作成の基礎を身に付けましょう。 また、手書きで解答する経験記述は、採点者が読みやすいように配慮する必要があります。

文字を丁寧に書く、誤字脱字がないなど、書き方のポイントを踏まえて練習しましょう。 また、記述欄の行数より少ない回答は減点対象です。

そのほか、管工事以外やテーマから外れた内容は不合格になるので注意しましょう。

通信講座が実地試験に効果的

実際の工事概要や実務経験は人によって異なるため、過去問で完璧に対策するのは難しいでしょう。 より実践的な実地試験対策をするためには、添削を受けられる通信講座の受講をおすすめします。

経験記述の添削を受けると、採点者が読みやすくわかりやすい記述を書く力が身に付きます。  仕事と勉強を両立する方にとって、通信講座は時間を有効に使うことに役立つでしょう。

まとめ

1級管工事施工管理技士の第一次検定対策は?

1級管工事施工管理技士の勉強方法は、まずは過去問から始めてみることです。それも1年だけではなく、数年分を何回も繰り返して解くことをおすすめします。

繰り返し解くことで、得意科目を1つでも増やすことが試験対策として効果的です。

1級管工事施工管理技士の第二次検定対策は?

第二次検定は記述試験があるため、第一次検定とは違い独学のみで対策するのは難しいのが実情です。

より効果的な経験記述対策として、通信講座で添削してもらう方法をおすすめします。 通信講座を利用すると時間を最大限に活用できるので、仕事と勉強を両立する方はぜひ取り入れてみてください。

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