管工事施工管理技士とは、管工事における施工管理の専門的な国家資格です。
管工事という言葉が一般的ではないため、具体的にどのような工事を仕事にしているのか、ご存じない方も多いでしょう。
こちらでは、管工事の種類と仕事内容、管工事施工管理技士の資格を取得するメリットについて解説します。
目次
管工事施工管理技士とは?具体的な仕事内容を紹介
管工事の種類を踏まえ、管工事施工管理技士が行う仕事内容について紹介します。
管工事の種類
管工事とは、冷暖房設備や空調設備、上下水道設備、吸排気ダクト、ガス管、浄化槽などの配管工事のことを指します。
あらゆる建築物に欠かせない工事ということもあって、常に高い需要をキープしているのが特徴です。
管工事施工管理技士は、国土交通省管轄の国家資格で、配管工事のスペシャリストとして認められます。
管工事施工管理技士の仕事内容
管工事の主な仕事内容は、各設備のパイプやダクトを配置することです。
管工事そのものは無資格でも従事できますが、工事現場における施工や工程、安全を管理する業務には、管工事施工管理技士の資格が必要です。
管工事は建物の規模が大きくなるとともに、配管は複雑になり、配管の種類も増えていきます。
配管ミスは大きな問題に発展しかねないため、詳細な施工計画や工事の工程管理が欠かせません。また、工事現場は事故ゼロで終わることが求められるため、作業の安全を確保することも重要です。
管工事施工管理技士の受験資格が令和6年度より変更
令和6年度から施工管理技士の受験資格が大きく見直されます。主な変更点は以下の通りです。
1級の第一次検定において、実務経験が不要となる
旧受験資格では、1級の第一検定の受験には数年間の実務経験が必要で、また必要な経験年数も学歴によって細かく定められていました。令和6年度以降は、学歴に関係なく、19歳以上であれば誰でも受験可能となります。
一方で2級の第一次検定に関しては、こちらは改正前から17歳以上であれば受験可能で、新制度でも変更はありません。
第二次検定で必要な実務経験年数が変更される
第二次検定を受けるには、学歴別に数年間の実務経験期間が決められていました。令和6年度以降は、1級2級ともに学歴に関係なく、第一次検定合格後に数年間の実務経験を経験することで第二次検定の受験が可能になります。
なお、第二次検定に関しては令和6年度から令和10年度までの間は経過措置期間として、旧受検資格と新受検資格のいずれかを選択して受験することができます。
今回の受験資格の制度変更で一番の大きな目玉は、1級の第一次検定で実務経験が一切不要になった点です。19歳以上であれば誰でも受験ができるので、資格取得のチャンスは以前より広がったと言えるでしょう。
管工事施工管理技士を取得するメリット
管工事の作業員からキャリアアップできる管工事施工管理技士ですが、それ以外にもさまざまなメリットがあります。管工事に携わっている方は、資格のメリットを把握しておきましょう。
専任技術者・監理技術者になれる
管工事施工管理技士には1級と2級があり、資格を取得すれば工事現場における重要な役割に就くことができます。
1級では特定建設業の専任技術者、一般建設業の主任技術者および監理技術者になることが可能です。また、2級では一般建設業の専任技術者、主任技術者に従事できます。
専任技術者とは、都道府県知事より許可を受けた管工事業において、営業所ごとに配置する必要がある役割のことです。管工事施工管理技士の有資格者、または所定の実務経験年数がある人だけが専任技術者として認められます。
また、監理技術者とは、建築一式工事で総額7,000万円以上、それ以外で4,500万円以上の大規模な建設工事において、現場に配置する必要がある役割です。主任技術者は監理技術者を必要としない、中小規模の工事現場にそれぞれ配置する必要があります。
無資格でも管工事の仕事には就けますが、キャリアアップを目指すのであれば、管工事施工管理技士の資格は取得したほうがいいでしょう。
また、施工管理技士の有資格者は、公共工事の競争入札に参加する際に技術力を証明できます。公共工事を請け負う際に受ける経営事項審査において、1級施工管理技士は5点、2級施工管理技士は2点が加点されます。
加えて、2021年度の4月より「2級の第二次検定合格者+1級技士補(第一次検定合格者)」には経営事項審査の評価が4点与えられます。
施工管理技士の有資格者を雇うことは企業側にとってもメリットとなるので、昇給や昇進で有利になるでしょう。
需要が高く転職に有利
管工事は、マンションなどの住宅やオフィス、商業施設など、全ての建築物に欠かせない工事です。
つまり、管工事施工管理技士は需要が高いため、資格保有者はさまざまな種類の工事現場で求められる人材となります。
管工事施工管理技士を持つ人材は高齢化が進んでおり、若手の有資格者が不足している状況です。加えて、建設工事は複雑化、高度化しているため、管工事の若手の技術者を1人でも多く獲得したいという思惑もあります。
無資格で経験を積める管工事に携わり、その後に資格を取得してキャリアアップすることも可能です。
建設業界で長く働きたい方は、管工事の世界に挑戦する価値は高いといえるでしょう。
他の資格を取得しやすい
管工事施工管理技士の資格を取得すると、浄化槽設備士や給水装置主任技術者の資格が取得しやすくなります。
浄化槽設備士とは、し尿や雑排水の浄化槽設備において、営業所ごとに配置する必要がある資格です。管工事施工管理技士の有資格者は、この資格の講習会を受講する権利が与えられており、受講後に免許を申請できます。
給水装置主任技術者とは、水道管の配置や修繕などの工事に必要な資格です。管工事施工管理技士の有資格者は、2つの試験科目が免除になるので、一般の受験者よりも有利になります。
また、1級管工事施工管理技士資格を取得した後、実務経験を2年以上積むと「建築設備士」の受験資格が得られます。建築設備士は、空調や換気、給排水などの設計、工事監理の知識があると認められる資格です。建築士にアドバイスができる上位資格なので、実務経験年数をクリアできれば、取得したほうがいい資格といえるでしょう。
管工事施工管理技士の取得は通信講座がおすすめ
管工事施工管理技士を取得するためには、実務経験の他に試験に合格する必要があります。試験は1級2級ともに年2回開催されています。
独学でも勉強可能ですが、実務経験が必要になる管工事施工管理技士は、忙しいスキマ時間でも勉強しやすい通信講座がおすすめです。
通信講座では動画教材とテキスト教材の二種類を使って学習を進めます。動画教材はオンラインの場合は通勤電車の中や寝る前にスキマ時間といった少しの時間でも勉強することが可能ですので、忙しい現場系仕事の方でも気軽に勉強をすることができます。
管工事施工管理技士の仕事は、さまざまな種別の建築物に関わることができるとても需要が高い資格です。
資格取得を検討されている方は、ぜひ勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
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管工事施工管理技士の仕事内容まとめ
管工事はどのような仕事内容?
管工事は空調や換気、ガス、上下水道など、あらゆる配管の設置工事のことです。
管工事には資格がなくても携われますが、管工事施工管理技士を取得すると、施工管理業務に従事でき、キャリアアップにもつながります。
管工事施工監理技術者になるメリットは?
配管工事はさまざまな建築物に欠かせないため、手に職を付けたい方に向いています。
また、他の資格も取得しやすくなるため、さらなるキャリアアップも目指せるでしょう。 建設の需要は今後も続くことが見込まれるため、安定した仕事が受けられます。