安全衛生教育系
酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育とは?主任者講習との違いや義務、受講方法を徹底解説

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育とは?主任者講習との違いや義務、受講方法を徹底解説

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酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育とは、酸素欠乏症や硫化水素中毒の危険がある場所で作業する場合に受講が義務付けられている法定講習です。

対象者は危険作業に携わる作業従事者や安全衛生担当者で、重大な労働災害や死亡事故を未然に防止することを目的としています。

本記事では、特別教育の概要や受講義務がある作業要件、免除条件をはじめ、講習内容・費用・受講ルートまで分かりやすく解説します。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育とは

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育(酸欠等特別教育)とは、酸欠や硫化水素中毒の恐れがある建設業や製造業、清掃業など多くの現場などで、事故を防ぎ安全・衛生的に作業を行うための知識を身につける講習です。

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労働安全衛生法では、該当する危険作業に関わる業務に就く労働者は、特別教育を修了している義務があると定められています。

特別教育が必要な理由は、危険度の高さと安全対策の重要性です。建設業や製造業をはじめ、幅広い業種の作業で酸素欠乏症や硫化水素中毒の危険がある現場で労災事故が発生します。

厚生労働省の統計(労働災害発生状況)によると、酸欠・硫化水素中毒事故は発生した際の死亡率が約50%に達することが報告されています。

<実際の災害事例>

  • 2002年硫化水素中毒の被災者18名うち15名死亡
  • 2012年酸素欠乏症の被災者7名うち5名死亡
  • 2015年酸素欠乏症の被災者9名うち6名死亡

下記では具体例や症例を紹介しています。

症例

業種

発生状況

酸素欠乏症

建築工事業

建設現場にて、地下ピット内に溜まった水を排水ポンプで水抜きしようとしたところ、2ヶ月以上ピット口を閉じたままの密閉状態であったために酸素欠乏状態であったので、内部に入ったところ酸素欠乏により死亡となったもの。

酸素欠乏症

運輸交通業

路上に停車中の冷蔵冷凍車の荷台内で、被災者が倒れているところを発見された。荷台には、アイスクリームや魚介類が積みこまれており、ドライアイスで保温されていた。

硫化水素中毒症

清掃業

工業用汚水管の洗浄及び調査を行う業務において、マンホールの止水栓を開放する作業を行おうとしたところ、栓が詰まっている状態であったので、マンホールに侵入し、栓の詰まりを解消したところ、溜まっていた汚水が流れ込み、発生していた硫化水素により被災したもの。また、救助により二次災害が発生した。

【参考1】:厚生労働省 「酸素欠乏症・硫化水素中毒による労働災害発生状況」
【参考2】酸素欠乏症・硫化水素中毒による労働災害が発生しています

さらに、被災者を救出しようとした人までが同じ症状に巻き込まれてしまうという二次災害のリスクも大きいのが特徴です。

酸素欠乏症や硫化水素中毒は、その場に存在するはずの空気中の酸素が欠乏や希薄化されることが原因のため、気づかないという課題があります。

しかし、現場作業従事者への教育や作業管理の徹底を行い、さらに、AEDを用いた救急救命処置など正しい知識を持つことができれば、死亡リスク削減や労働災害そのものを防止できます。

そこで、この特別教育の趣旨とは、安全対策を徹底するために酸素欠乏症や硫化水素中毒の可能性がある危険作業に関わる作業従事者は、労働安全衛生法にもとづいて酸欠症状等の原因・症状や安全対策の知識を身につけるよう義務付けられているのです。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育を受講するメリット

受講のメリットは、現場での重大事故・死亡リスクを未然に回避できる点です。酸素や硫化水素は目に見えないため、正しい知識がないと二次災害を引き起こします。特別教育を通じて危険察知力や保護具の適切な扱い、緊急時の救命処置を網羅的に学べるため、自身とチームの生命を守り、安全な作業環境を構築できます。

特別教育の受講義務がある作業従事者と免除資格

酸素欠乏症や硫化水素中毒の危険がある場所で業務をする作業従事者は、特別教育の受講が義務です。当てはまるかどうかを確認するため、具体的な要件を紹介しましょう。

酸素欠乏危険作業の2種類

労働安全衛生法(酸素欠乏症等防止規則第2条)でいうところの「酸素欠乏危険作業」には第1種と第2種があります。

・ 第1種酸素欠乏危険作業:酸欠の危険がある場所での作業
・ 第2種酸素欠乏危険作業:酸欠及び硫化水素中毒の危険がある場所での作業

このうち第2種の酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育は、以下に該当する作業従事者と安全衛生担当者が対象です。

代表的な作業場所には、以下のようなものがあります。

  • マンホール・地下水工事
  • ピット
  • 地下室
  • タンク内
  • 坑内

これらはあくまでも例で、実際は非常に多岐にわたります。詳しく知りたい方は「労働安全衛生法施行令別表第6」を確認するか、所轄の労働局に問い合わせましょう。

特別教育と主任者技能講習の違いは

特別教育は、危険・有害な業務に就かせる前に事業者が実施(または外部受講)させる安全衛生教育で、受講後は当該業務に従事できます。主任者技能講習は、作業主任者など“管理者”として選任されるために、労働局登録の機関で受講し修了証を得る講習です。つまり「作業者になる教育」か「主任者になる講習」かが違います。

「作業主任者技能講習」は一部・全部が免除される場合も

関連する資格を保有している場合、特別教育カリキュラムが免除される場合があります。

– 酸素欠乏危険作業主任者技能講習
– 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習

前者は、酸素欠乏症のみの知識が主となっており、硫化水素中毒の知識は含まれません。特別教育では酸素欠乏症の科目が免除される場合がありますが、カバーされていない硫化水素中毒の部分については特別教育で学ぶ必要があります。

しかし、後者は、酸素欠乏症だけでな硫化水素中毒の危険がある場所において、作業主任者を選任することができる資格です講習内容は特別講習と重複しているだけでなく、より充実しているため特別講習は免除されます。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の内容とは

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育は実践的な内容ですが、講習そのものは全て座学で、合計5.5時間のカリキュラムです。

科目

時間

酸素欠乏等の発生の原因

1時間

酸素欠乏症等の症状

1時間

空気呼吸器等の使用の方法

1時間

事故の場合の退避及び救急そ生の方法

1時間

その他酸素欠乏症等の防止に関し必要な事項

1.5時間

合計

5.5時間

発生の原因・症状の科目では酸素欠乏症が発生する原因や発生しやすい場所、症状の危険性や主な症状を学びます。どれも実際の業務を安全に行うために欠かせない内容です。

また、空気呼吸器等の使用の方法の科目では、作業で使用する呼吸用保護具である空気呼吸器、酸素呼吸器、送気マスクなどの装着方法や点検方法を学びます。そして、退避・救急・蘇生の科目では、万が一事故が発生した場合に、応急手当や心肺蘇生やAEDの使用方法などを学びます。

受講・修了する条件として、資格や実務経験は不要で、講習を受ければ修了と認定されます。一部のオンライン講座では確認テストを行うことがありますが、出題範囲は限られているため難易度は高くありません。

特別教育の受講・申込方法や料金は?

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育を受ける方法は主に2パターンあります。

  1. 業界団体や企業が主催する講座
  2. WEB講座

業界団体や企業が主催する講座

主催団体

申込方法

料金

備考

協会

・建設業労働災害防止協会
・中央労働基準協会
・中小建設業特別教育協会
など

・電話
・FAX
・WEB
※主催団体による

10,000円前後
※主催団体による

・カリキュラム5.5時間
・一部出張対応有り

企業

・コマツ
・コベルコ
など

業界団体とは、代表的なところでは管轄の労働基準協会や連合会、また「建設業労働災害防止協会」「中央労働基準協会」や「中小建設業特別教育協会」といった協会を指します。企業とは、建設メーカー大手などです。

特別教育は全国各地で開催されており、都市圏では1~3カ月おきの頻度で開催されています。地方は数が少なかったり、そもそも開催されていないケースもありますが、その場合は出張講座を依頼することも可能です。申込みは電話・FAXか、またはWEBで受付している団体もあります。

自宅で受講可能なWEB講座

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育は、オンラインでも受講することができます。

カリキュラムには実技がなく座学のみのため、自宅や会社にいながらオンラインで正式に修了することが可能です。

なお、労働安全衛生法に基づくオンライン教育(Eラーニング)は、単に動画を再生するだけでなく「適切な受講管理」が法律で義務付けられています。SATのWeb講座は、カメラによる顔認証システム等の厳格な本人確認・講義の視聴管理を採用しており、厚生労働省・労働局の示す要件をしっかりと満たしています。そのため、受講者様・事業者様ともに安心して導入・受講いただけます。

申込方法

料金

備考

WEB
※主催団体によっては別の方法も

8,800円(税込)
※主催団体による

自宅で受講可能

講習は1日で終わるとはいえ、参加会場までに足を運ぶのが負担だと感じることもあります。

一方、WEB講座は自宅にいながらEラーニングで受講できる点がメリットです。テキストはデータ形式のため、自宅でダウンロードまたは印刷しましょう。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育についておさらいしよう

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育について

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育は、酸欠や硫化水素中毒の恐れがある現場などで労働災害の発生を防止するために受ける講習です。
建設業をはじめ、製造業や清掃業などさまざまな現場で安全・衛生的に作業を行うために必要になります。

特別教育が免除されるケースは

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育に関連する資格を保有していると、特別教育が免除できる場合があります。

・酸素欠乏危険作業主任者技能講習
・酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習

上記の資格のうち、酸素欠乏危険作業主任者の場合は、硫化水素中毒に関しての学習が特別教育で必要です。
一方、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の場合は特別教育と内容が重複しているため、受講が免除されます。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の受講方法

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の受講方法は、主に以下の2つです。

・業界団体や企業が主催する講座の受講
・WEB講座の受講

業界団体の場合、労働基準協会や連合会が開催する講習にスケジュールを調整して受講する必要があります。
一方でWeb講座の場合、自分の好きなタイミングで動画講義を受講できるので、スケジュールを調整する必要がありません。 そのため、これから受講される方はWeb講座での受講をおすすめします。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育を受講するならSAT

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育をスムーズに受講するなら、SATのWeb講座がおすすめです。オンラインで24時間365日いつでも受講可能で、会場への移動コストや時間を大幅に削減できます。動画講義はスマホやPCで分かりやすく視聴でき、顔認証システムによる受講厳格化で労働局の要件もしっかりクリア。修了後は修了証が即日発行されるため、急ぎで資格が必要な方や企業様の受講にも最適です。

SATの「酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育」Web講座の詳細・お申込みはこちら

まとめ

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育は、目に見えない空気の危険から命を守るために不可欠な法定教育です。酸欠や硫化水素事故は死亡率が高く、二次災害も発生しやすいため、正しい知識と備えが欠かせません。

講習は全5.5時間の座学のみで完結するため、忙しい方や急ぎで資格が必要な方は、時間や場所を選ばず即日修了可能なSATのWeb講座の活用をぜひご検討ください。

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