第二種電気工事士

第二種電気工事士試験の学科&技能試験の過去問解説!

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第二種電気工事士の試験対策を始めるにあたり、どのような問題が出るか気になる方は多いでしょう。はじめにどのような問題が出るかチェックしておけば、試験の対策も立てやすくなります。

この記事では、まず第二種電気工事士試験で出題される問題の概要を説明します。また学科(筆記)試験と技能(実技)試験のそれぞれについて、過去に出題された問題の例をいくつか取り上げ、解説を加えていきます。

第二種電気工事士試験で出題される問題とは

第二種電気工事士に合格するためには、学科(筆記)試験と技能(実技)試験の両方に合格しなければなりません。それぞれの試験で出題される問題について、概要を説明します。

学科試験

学科試験は、4肢択一のマークシート方式で行われます。試験時間は2時間です。

また問題数は50問で、「一般問題」と「配線図」に分かれます。以下をご確認ください。

問題の種類出題数内訳
一般問題30問計算問題(5~10問)、知識を問う問題(20~25問)
配線図20問配線図に関する知識(10問)、材料選別問題(10問)

一般問題は、さらに以下のように分かれます。

分野出題数
電気に関する基礎理論5~8問程度
配電理論および配線設計3~6問程度
電気機器、配線器具、材料および工具7~12問程度
電気工事の施工方法5~8問程度
一般用電気工作物の検査方法2~4問程度
一般用電気工作物の保安に関する法令2~4問程度

学科試験の受験方式について

学科試験の受験方式は、CBT方式と筆記方式の2種類があります。CBT方式とは、試験会場にあるパソコンを使い受験をする方式になります。筆記方式はマークシートに解答を記入する方式です。どちらも出題される問題内容に変わりはありません。

技能試験

技能試験は、以下の特徴を持つ試験です。問題数は1問です。

・出題意図に沿った解答(作品)を、40分間で持参した工具を使って完成させる
・材料は支給される。また、支給された材料以外は使えない
・問題は、事前に公表された13問から1問が出題される。どの問題も出題される可能性がある
・ランプレセプタクル用端子ねじ、リングスリーブ、差込形コネクタは、試験中の補充が可能。それ以外は、失敗しても補充されない。

公表問題は受験案内に記載されています。事前にチェックした上で、どの問題も40分以内で余裕を持って製作できるように準備しましょう。

また採点においては出題の意図に沿っていることはもちろん、「電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準」にあてはまらないかもチェックされます。欠陥の判断基準に1箇所でも当てはまると不合格になりますから、注意が必要です。

とはいえ、過剰に心配する必要はありません。チェックポイントは電気技術者試験センターのWebサイトの「技能試験の概要と注意すべきポイント」に記載されていますので、技能試験の練習を始める前に必ず読みましょう。

第二種電気工事士【学科試験】の問題例と解説

ここでは学科試験で出題される問題を、一般問題と配線図に分けて解説します。過去問は電気技術者試験センターの公式サイトでダウンロード可能ですので、リンクからご覧ください。今回は2019年下期の問題を取り扱っています。

一般問題の例

一般問題は大きく分けて、計算を必要とする問題と、知っていれば答えられる「知識を問う」問題」に分かれます。まずは計算問題から見ていきましょう。

問3 消費電力が500Wの電熱器を、1時間30分使用したときの発熱量[KJ]は。

イ) 450
ロ) 750
ハ) 1,800
二) 2,700

解説

熱量は、電力に使用した時間(秒)をかけることで求められます。1時間30分は5,400秒ですから、本問で求める熱量は以下の式で求められます。

500(W)×5,400(秒)=2,700,000(J)=2,700(KJ)

したがって、解答は「4」となります。

次に、知識を問う問題を見ていきます。

問20 使用電圧100Vの屋内配線の施設場所における工事の種類で、不適切なものは。

イ)点検できない隠ぺい場所であって、乾燥した場所のライティングダクト工事
ロ) 点検できない隠ぺい場所であって、湿気の多い場所の防湿装置を施した合成樹脂管工事(CD管を除く
ハ)展開した場所であって、湿気の多い場所のケーブル工事
二)展開した場所であって、湿気の多い場所の防湿装置を施した金属管工事

解説

不適切な選択肢を選ぶ問題です。電圧100Vの配線は低圧屋内配線ですから、以下の工事はどの場所でも可能です。

・合成樹脂管工事(CD管を除く)
・金属管工事
・可とう電線管工事
・ケーブル工事

一方でライティングダクト工事は、点検できない隠ぺい場所では施工できません。
このため、正解は「1」となります。

もう1問、知識を問う問題を見てみましょう。こちらは法令です。

問30 「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電圧の低圧区分の組合せで、正しいものは。

イ)交流600V以下、直流750V以下
ロ)交流600V以下、直流700V以下
ハ)交流600V以下、直流600V以下
二)交流750V以下、直流600V以下

解説

「直流750V以下、交流600V以下」という基準を知っていれば、答えられる問題です。
解答は「1」となります。

配線図問題の例

配線図問題は、ある1つの建物における配線図が示され、これを読みながら解答する問題です。一例として、2019年下期試験の配線図を見てみましょう。

配線図

ここでは問題を3題取り上げ、解説を行います。まず、問37を見てみましょう。この問題はコンセントの図記号だけでなく、刃の形状を知っていないと答えられない問題です。

問37 ⑦で示すコンセントの極配置(刃受け)は。

解説

⑦は左下に「250V」、右下に「E」の文字が入っていますが、他の文字はありません。このため、以下のコンセントということがわかります。

・定格電流は15A
・定格電圧は単相250V(200V用コンセント)
・接地極がある

該当する極配置は「イ」となります。

配線図問題では、カラー写真を見ながら答える問題も10問あります。問50を見てみましょう。

問50 この配線図の図記号で使用されていないスイッチは。ただし、写真下の図は、接点の構成を示す。

解説

使用されていないスイッチを答える問題です。上を見ると、「ハ」は4路スイッチであることがわかります。一方で配線図では、4路スイッチを示す記号がありません。

このため、正解は「ハ」となります。

ところで配線図の問題は、必ず配線図を見ないと解けないとは限りません。問35を見てみましょう。

問35 ⑤で示す部分にペンダントを取り付けたい。図記号は。

解説

ペンダントの図記号がわかれば解答できる問題です。

答えは「ハ」です。

第二種電気工事士【技能試験】の問題例と解説

技能試験では、どのような問題が出題されるのでしょうか。ここでは2019年度の公表問題No.5を例にして、問題例と解説を考えていきましょう。

問題の例

この問題には、別途端子台の説明もついています。以下に記載の通り、配線用遮断器と漏電遮断器、接地端子は、端子台で代用されます。

支給される材料は、以下の通りです。

解答

上記問題の模範解答は、以下の通りとなります。

出典:電気技術者試験センター「2019年度第二種下期技能試験の解答(12/7(土)、12/8(日)実施) 候補No.5」

解説

解答する上で検討すべきポイントは、以下の3点にまとめられます。

  • 端子台の使用方法
  • 埋込連用取付枠に取り付けるスイッチとコンセントの順序
  • 配線どうしの接続方法

まず端子台は、上2つを100V用、下3つを200V用として使用します。
埋込連用取付枠への取り付け位置は、以下のように指定されています。

取り付け位置取り付け機器接続先
タンブラスイッチ施工省略となっている「イ」の機器
中央タンブラスイッチ「ロ」と記載されている、ランプレセプタクル
100V用コンセント 

100Vの配線を接続する際は、差込形コネクタとリングスリーブの割り当てを検討する必要もあります。差込形コネクタは、4本接続する箇所に割り当てます。一方でリングスリーブと電線の組み合わせは、以下の通りです。

出典:電気技術者試験センター「技能試験の概要と注意すべきポイント」

本問では100V用配線に2.0mm2芯の平形ケーブルを1本使います。一方でリングスリーブは小のみ支給されますから、2.0mm配線と接続可能な組み合わせは1.6mm配線1本に制限されます。

上記の条件に沿って複線図を書くと、以下の通りになります。

出典:電気技術者試験センター「2019年度第二種下期技能試験の解答(12/7(土)、12/8(日)実施) 候補No.5」

上記の通り、100Vの配線では白線(接地側電線)4本の接続を差込形コネクタで、残り3箇所の接続をリングスリーブで行います。

あとは複線図に沿って配線します。以下の点に注意しましょう。

  • ランプレセプタクルに配線する際、輪作りは右巻き
  • わたり線や端子台へ配線する際、非接地側電線は黒を用いる
  • 200V配線において、接地端子への配線は緑を用いる
  • リングスリーブの圧着マークに注意(2.0mmが絡む部分は「小」、1.6mm2本は「○」)

第二種電気工事士は過去問を解答できるように準備しよう

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ここまで、第二種電気工事士の学科試験と技能試験でどのような問題が出題されるか見てきました。

学科試験では単に覚えればよい問題だけでなく、配線図や器具の機能を知らないと答えられない問題も多いです。また、計算問題もできるようにしておくことも求められます。

一方で技能試験では複線図を書き、問題の要求通りに正しく配線するスキルが欠かせません。

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第二種電気工事士の試験に合格するためにはどちらの試験も過去問をチェックし、きちんと解答できる準備を整えることが重要です。

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