消防設備士とは、消火栓、スプリンクラー、自動火災報知設備などの点検・整備をするために必要な資格です。そういった消防用設備は、商業施設やビルなどに設置が義務付けられているため、消防設備士は非常に需要が高い資格です。そしてなかでも、今回紹介する消防設備士乙種第6類は、最も人気がある種別といえます。
なお、試験は筆記と実技で構成されており、それぞれ異なる対策が必要です。
ここでは、消防設備士乙種第6類の実技試験の特徴と採点の仕組み、実技試験に合格するポイントについて解説します。
目次
消防設備士乙種第6類の実技はどのような試験?
消防設備士乙種第6類の実技試験の概要と、合格基準と採点の仕組みを紹介します。
消防設備士乙種第6類実技試験の特徴と出題傾向
別名「鑑別等試験」とも呼ばれる実技試験は、消火器本体の幅広い知識が求められます。
実技試験と聞くと、消火器を実際に扱う試験とイメージする人も多いですが、消防設備士の実技試験は記述式の試験であり、実際に消火器などを操作する試験ではありません。
具体的には、写真を見ながら消火器の操作方法や作業手順を記述式で回答します。例えば、消火器の設置基準と設置場所、消火器の名称や使用する消火薬剤、消火器の絵表示、加圧方法などの知識が問われます。その他、計算式を用いて解く計算問題なども出題されます。
消防設備士乙種第6類試験の合格基準と採点の仕組み
消防設備士乙種第6類の合格基準は、「筆記試験において、各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とする」と定められています。消防法施行規則の規定により、筆記試験の点数が合格基準に達しない場合、「実技試験が採点されない」という仕組みがあるので注意が必要です。
また、筆記試験と実技試験は同時に出題されるため、問題を解く順番はどちらが先でも構いません。実技試験も記述式なので、試験の時間配分などを考慮しながら解き進めるとよいでしょう。
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消防設備士乙種第6類の実技試験に合格するポイント
消防設備士乙種第6類の実技試験に合格するために、以下の5つのポイントを考慮しましょう。
ミスなく正確に解答する
実技試験はわずか5問と少ないうえに、合格基準点を満たすには3問以上を正解する必要があります。1問あたりの配点が高いため、ミスがないように正確に記述することが大切です。
記述式で解答するため、消火器の名称や特徴をしっかり理解することはもちろん、消火器の難しい漢字の読み書きも覚えましょう。
消火器の操作は動画で勉強する
実技試験を勉強する場合、消火器を実際に使っている動画を見たほうが、テキストよりもイメージがつかみやすくなります。YouTubeなどの動画配信サイトには消防設備士乙種第6類対策の動画が数多くあるので、テキストと合わせて利用すると理解が深まるでしょう。また、消防設備士乙種第6類の通信講座でも、消火器の使い方や操作方法を動画で勉強できます。
消火器は名称や特徴をまとめて覚える
消火器の名称を単体で覚えるよりも、用途や特徴を一緒に覚えると効率よく実技試験対策ができます。それは、消火器の名称に加え、薬剤・適応火災・使用温度範囲・能力単位などの特徴に関する問題が出題される可能性もあるからです。また、関連する項目を一緒に覚えることで、勉強の手間を省けます。マンションや公共施設など、身近にある消火器を観察してみると、より深い理解につながるでしょう。
わからない問題でも空白にしない
マークシート式の筆記試験と異なり、記述式の実技試験は人が採点するため空白をつくらないことも大切です。解答欄を空白で提出すると得点のチャンスを完全に失うため、わからない問題でもできる限り解き、答えを埋めることを心がけましょう。
また、筆記試験の問題文に実技試験のヒントが隠れている場合があります。実技試験と筆記試験を切り離して考えるのではなく、トータルで見直しすることも合格につながるポイントの一つです。
過去問を何度も解く
筆記試験と同様に、実技試験も過去問をくり返し解くことが重要です。消防設備士乙種第6類では過去問と似た傾向の問題が多いため、過去問を解くことが効率的な試験対策になります。特に計算問題は、多くの過去問を解きながら力をつけましょう。
消防設備士乙種第6類をしっかり対策して合格しよう!
消防設備士乙種第6類の実技試験は、消火器の名称や特徴、操作などを記述式で解答する問題です。筆記試験が合格基準点に満たない場合、実技試験が採点の対象外となるため、筆記も実技もバランスよく勉強することが大切です。また、実技試験は1問の配点が高いので、ミスをしないことや、わからない問題でも解答欄を埋めることを意識しながら勉強を進めましょう。消防設備士乙種第6類の問題は過去問と傾向が似ているので、過去問をやり込むことで合格に近づくことができます。