電気工事施工管理技士

1級電気工事施工管理技士の難易度は、電験三種よりは低い!

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「職場で1級電気工事施工管理技士の資格を取るようにすすめられた」、「キャリアアップのために資格を取りたい」と考えている方は、少なくありません。

実際に電気工事の業界においてはニーズの高い資格です。

資格を取得する際のポイントとしては、過去問を中心に継続して勉強を行うことです。
これを実践できれば、独学でも合格が狙えます。

1級電気工事施工管理技士の難易度がどのくらいなのか、過去問対策と一緒に他の資格と比較した情報を集めておきましょう。
そこで本記事では、1級電気工事施工管理技士の資格概要をはじめ、合格率や難易度、他の資格との比較・解説をします。

1級電気工事施工管理技士とは

1級電気工事施工管理技士とは、電気工事の現場で施工や品質管理、作業員や周辺の安全管理も行うために必要な資格です。

それでは、1級電気工事施工管理技士の詳細をみていきましょう。

1級電気工事施工管理技士の資格概要

前段で触れたように1級電気工事施工管理技士は、電気工事の現場で施工管理や配線などの品質管理、日程管理や安全管理までを取りまとめるために必要な資格です。

1級電気工事施工管理技士は国家資格の1つで、多くの電気工事会社で必要とされる人材・資格でもあります。


さらに以下の現場などで業務を遂行できるのも、1級電気工事施工管理技士の強みです。

No1級電気工事施工管理技士の強み
1特定建設業の営業所にて専任技術者として業務を遂行
2一般建設業の営業所にて専任技術者として業務を遂行
3現場ごとの主任技術者として業務を遂行

他にも1級電気工事施工管理技士の有資格者は、監理技術者の資格も取得できます。そのため、より仕事の幅を広げることが可能です。

誰でも1級電気工事施工管理技士を受験できるわけではない

1級電気工事施工管理技士は、さまざまな電気工事の現場で役立つ資格です。しかし、誰でも資格試験を受験できるわけではありません。

また、第一次検定(学科)と第二次検定(実地)で異なる受験資格のため、受験前に確認することも重要です。

受験資格は主に学歴と現在の職業・指定された資格取得済みか、そして実務経験がポイントとなります。

1級電気工事施工管理技士の難易度は高い?

はじめに、1級電気工事施工管理技士の難易度を合格率や試験科目の面から紹介していきます。

第一次検定と第二次検定の平均合格率

1級電気工事施工管理技士は、第一次検定と第二次検定の両方に合格することで、資格を得ることができます。第一次検定の解答方式はマークシート方式、第二次検定は記述方式です。

また、第一次検定と第二次検定の合格率は以下のとおりです。

実施年度第一次検定(学科)第二次検定(実地)
平成30年度56.1%73.7%
令和元年度40.7%66.3%
令和2年度38.1%72.7%
令和3年度53.3%58.8%
令和4年度38.3%62.5%

第二次検定は第一次検定を合格しているか、第一次検定免除の条件を満たしている場合にのみ受験可能です。そのため、第二次検定の合格率が高くなっている可能性があります。

試験科目と難易度

続いて、試験科目について紹介します。第一次検定は、電気工学や施工管理法と法規が中心です。午前中に2時間半、午後に2時間の合計4時間半と長時間にわたる試験となります。

マークシートでの解答であり、ほとんどの問題が正しいものや不適切なものを選ぶ形式です。

92問のうち60問を選択して解答する形式となっているため、事前に過去問で問題選択のイメージをつかんでおくとよいでしょう。

もちろん選択だけでなく必須の問題もあるので、必須の問題は確実に解答できるように対策をするのがおすすめです。過去問を解くと必須問題の傾向がわかってくるでしょう。

第一次検定では、正確な知識が求められるため、繰り返し問題演習をして知識を定着させることが必要です。

第一次検定に合格すると、第二次検定という試験を受けます。こちらの試験は記述式で3時間の制限時間の中で解答することが必要です。

第一次検定のように知識の暗記や正誤の判断だけでは歯が立ちません。第一次検定で理解した知識をもとに、より実践的な問題が出題されます。

そのため、自分の理解したことや経験を文章として書き起こす必要があります。

特に難易度が高いのは、「施工体験記述問題」とよばれるものです。あなた自身が経験した施工と絡めて問題を解いていくことが大切です。

また、工事概要として、工事名や工期などを暗記しておき記述する必要もあります。

それらの基礎が整ったうえで、問題で与えられるテーマに沿って経験を解答していかなければならず、対策が難しいといえるでしょう。

そのほかの問題では、指定されたテーマについて記述をしたり、法規の空所補充をしたりする問題などが出題されます。施工管理法という科目の中から出題されるようです。

1級電気工事施工管理技士試験は、独学でも合格を狙える

1級電気工事施工管理技士試験によくある質問として「専門学校や予備校には通うべき?」といったものがありますが、結論からお話しすると独学でも合格できます。

テキストや問題集を購入し、過去問を中心に効率よく勉強を行えば合格する力は身につきます。
しかし、独学の場合はモチベーションの維持が難しいことが最大のデメリットです。

わからない問題や苦手な分野も全て自分自身の力で解決しなければいけません。
そのため、解けない問題が続くと勉強のモチベーションが大幅に下がります。

まずは、1日30分の勉強時間でも大丈夫です。
独学で合格したい方は、長期的な計画を立てて過去問を繰り返し解き、勉強を継続しましょう。

1級電気工事施工管理技士と電験三種の難易度の比較

1級電気工事施工管理技士の難易度や概要を理解できた後は、電気関係の資格と比較してみるのもよいでしょう。

ここでは、1級電気工事施工管理技士と電験三種の難易度を比較していきます。

電験三種の合格率

電験三種は、4科目に合格する必要があり、どの科目も難易度の高い内容となっています。例年の合格率は8%~10%前後です。

1級電気工事施工管理技士の平均合格率は50~70%ですので、大きく異なる水準です。

つまり、1級電気工事施工管理技士は、電験三種と比較すると合格率の高い試験です。

また、電験三種は1発合格ではなく、何度か受験することを前提としているケースも多く、1級電気工事施工管理技士よりも非常に難関といえるでしょう。

電験三種の試験科目

電験三種の試験科目は4種類です。また、法規・理論・電気・機械の4科目で、計算問題を必要とする内容がほとんどです。
特に理論科目は、電磁気や電気回路、電子回路といった内容とともに計算も必要です。さらに他の科目は理論科目をベースとしているため、それぞれバランスよく理解しなければいけません。

1級電気工事施工管理技士は、第一次検定と第二次検定の大きく分けて2科目です。ただし、第一次検定は、施工管理法に関する問題や電気工学、電気設備といった内容から出題されます。

そのため、試験範囲は広いといえるでしょう。

第二次検定は、施工体験記述問題(自身が経験した施工経験を整合性の取れた内容で記述)や、工程管理など施工管理・法律に関する内容で構成されています。

計算問題ではありませんが、意味を理解したうえでの暗記や、理論立てて施工経験を記述できるよう文章力も求められます。

電験三種は、数学も理解しなければいけませんが、1級電気工事施工管理技士にも特有の問題がありどちらも難易度の高い試験科目といえるでしょう。

ただ、電験三種は1級電気工事施工管理技士と、資格内容および仕事で用いる場面が異なるため単純に比較できない部分も多数あります。

1級電気工事施工管理技士と電気工事士との難易度の比較

今度は、同じような系統の資格である「電気工事士」と難易度や出題科目について比較をしていきます。

電気工事士の合格率

まずは、電気工事士の合格率を紹介します。電気工事士の合格率は、1級の場合2019年が54.1%、2020年が52.0%です。そして、平均合格率は48.8%となっています。

1級電気工事施工管理技士の平均合格率は50%~70%ですので、あまり差はないと考えることができるでしょう。

特に第二次検定に関しては、電気工事士よりも多少高い合格率となっています。

ただし、出題範囲や求められる知識が異なるので、合格率のみで比較してはいけません。次の項目で紹介する、試験科目もみてみましょう。

電気工事士の試験科目

では、試験科目の面では違いはあるのでしょうか。電気工事士の試験は筆記と技能にわかれています。

筆記試験では、電気に対する基礎理論や配線理論などから配線図まで全部で9科目から出題されます。過去問を解く中で、パターンや知識の定着をさせていくことが合格の近道となります。
技能試験は、配線図に沿って実際に電気工事作業を行います。合格の判断は、電線の接続から設置工事、故障箇所の修理などから検討されます。

難易度の高いポイントもありますが、実技講習会への参加などの方法で作業の正確性や速度を上げることは可能です。

電気工事士は、電気工事の知識と基礎技術を身に付けることがポイントです。

一方、1級電気工事施工管理技士は、電気工事はもちろん施工管理を中心とした試験内容となっているので、学習範囲は広い傾向です。

実技試験はありませんが、施工体験記述問題をはじめとした記述対策をしなければいけません。

つまり、実務経験から自分の言葉で解答をまとめる必要があり、電気工事士に比べて難易度は高いといえるでしょう。

他の資格取得で1級電気工事施工管理技士の難易度が下がる?

最後に、1級電気工事施工管理技士の難易度を下げる「第一次検定免除」について紹介します。該当する資格があれば、第二次検定のみの受験で資格を取得することが可能です。

そのため、第二次検定のみの対策にフォーカスできて学習時間を確保することができるでしょう。

資格取得による免除規定

1級電気工事施工管理技士は、第一次検定の条件が2つあります。1つ目は、前年度の1級電気工事施工管理技士学科試験に合格をしている方です。

その場合には、「前年度学科合格者専用申込書」という専用の申込書を使うことで、第一次検定が免除されます。また、インターネット申込でも免除をしてもらうことが可能です。

ただし、これ以外の方法では免除を受けられないので注意してください。 2つ目は、技術士法による技術士の第二次試験を受験していることが前提のものとなっています。

その中で、技術部門の選択を、「電気電子部門」や「建設部門」、あるいは「総合技術監理部門」で選択科目が「電気電子部門」か「建設部門」としている方が対象です。

これらの部門で技術士の第二次試験を合格し、そのうえで第一次検定の受験資格(実務経験など)を満たしている場合に第一次検定免除となります。 この場合には、新規の1級電気工事施工管理技士申込書とともに、技術士の合格証や登録証の提出が必要です。

さらに詳しく!
電気工事施工管理技士の年収は?仕事内容や年収を上げる方法も解説

1級電気工事施工管理技士のまとめ

1級電気工事施工管理技士の難易度はどれくらい?

1級電気工事施工管理技士の合格率は50~70%ととなっており、これは他の国家資格と比べると高い合格率となっています。

専門学校などに通わずとも独学で十分に合格が可能です。勉強時間の確保が難しい方は、通信講座の利用も検討してください。

1級電気工事施工管理技士は、電験三種より難しい?

1級電気工事施工管理技士の合格率は50%~70%ですが、電験三種の合格率は例年10%前後となっているため、合格率から見ても電験三種の方が難易度が高いと言えます。

とはいえ、1級電気工事施工管理技士も一夜漬け等の勉強で合格できる試験ではありません。しっかりとした試験対策が必要ですので、注意しましょう。

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