製造業において固有技術は他社との差別化を図り、自社の優位性を確保するために重要です。しかし、固有技術だけでは生産性が上がりにくかったり無駄が多くなったりします。固有技術は高いのに管理技術が低いために利益が上がらないケースも珍しくありません。
本記事では、製造業における固有技術と管理技術、それぞれの重要性と必要性を解説します。
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目次
固有技術と管理技術の概要と必要性
はじめに、製造業における固有技術と管理技術の概要と必要性について解説します。
固有技術と管理技術はいわば車輪の両輪のようなもので、どちらが欠けても生産性や売上などはアップしません。製造過程に問題が生じている場合は、どちらかに問題がある可能性が高いでしょう。
固有技術の概要と重要性
固有技術とは、企業が独自に持っている技術です。
固有技術はどのような製造業だけでなく、小売業や販売業など製造業以外の職種も持っています。
製造業の固有技術の一例を挙げると、組立、熱処理、機械加工、プレスなど多岐にわたります。高い固有技術を持っている企業ならば、特許を取るなどして技術だけで大きな武器になるケースもあるでしょう。
製造業において、固有技術はクローズアップされがちな技術でもあります。 固有技術を磨くために特別に費用をかけたり人材を集めたりするところも多いでしょう。
実際、固有技術がなければ製造業は同業の他社との競争に破れる可能性も高くなり、反対に他社ではまねできない固有技術をつくりだし育てることができれば、一気に会社を成長させることも可能です。
管理技術の概要と重要性
管理技術とは、固有技術を補佐して業務を効率化させたり目標を達成するための技術です。具体例をあげると生産管理、工程管理、品質管理、外注管理などが該当します。
例えば、良質な製品を作る技術は高くても生産するのに時間も費用もかかり、一個当たりの値段がとても高くなっては、いくら良い製品でも世の中に受け入れられません。
しかし、工程管理や原価管理を行って工期を短縮させ、原価を抑えることができれば一気に需要が高まる可能性もあるでしょう。
管理技術は、固有技術と異なりどの企業でも利用できるフレームワークが存在します。そのため、管理技術は外部から講師を招くなどしてレクチャーを受けることが可能です。 基本的な形を学べれば、後は自社の仕事内容に合わせてアレンジしていくこともできるでしょう。
固有技術と管理技術は車の両輪のような存在
固有技術と管理技術、どちらが欠けても企業の成長は望めません。
工程管理や生産管理を徹底して安価で納期通りに良い製品をつくる技術があっても、他社に打ち勝つような固有技術が無ければ、他社との競争に勝つことはできません。
また、他社を圧倒するほど優れた技術があっても、唯一無二など特殊な事情が無い限り、作るのに日数が掛かりすぎたり費用が高すぎたりすると、需要は高まりません。
技術は日々進歩します。高い技術をもっていて同業他社を圧倒していた会社であっても、他社が管理技術を上げてより安価に、より短期間に高品質の製品を製造できるようになれば、競争に負けてしまうでしょう。
したがって、固有技術と管理技術、どちらかが足りてないと分かった時点で対策を考える必要があります。
また、新しい固有技術が完成したり、固有技術をよりバージョンアップしたりした場合は、管理技術がそれに対応できるかどうか確認する必要もあるでしょう。
例えば、他社との競争に打ち勝つような固有技術が完成したとしても、安定して高品質な生産ができなければ注文先からの要求に応えることはできません。 つまり、管理技術がしっかりしていれば、より高度な固有技術を開発する余裕があると言えます。
固有技術や管理技術を高めるには?
固有技術や管理技術を高める方法を探している企業は多いことでしょう。 ここでは、固有技術や管理技術を学んだり従業員に教育したりする方法を紹介します。
技術を持つ人材を社内に迎え入れる
固有技術や管理技術に対して知見を持つ人材を社内に迎え入れれば、固有技術を進歩させたり管理技術について従業員に教育をしてもらったりできます。
ただし、会社が望むような技術を持つ人材を社内に招き入れるのはなかなか大変です。 募集をかけても人材が集まらない、集まっても給与の面で折り合いがつかずに入社がかなわないといったこともあるでしょう。 優秀な人材ほど時間と費用をかけないと見つからない傾向があります。
コンサルティングを依頼する
コンサルティングとは、会社が抱えている問題を解決するアドバイスや提案をしてくれる業務です。近年は、たくさんのコンサルティング会社があり、問題に合わせたコンサルティングを行ってくれます。
固有技術や管理技術の問題を明らかにし、コンサルティングを行ってくれる会社もたくさんあります。
コンサルティングを依頼するメリットは、企業が抱える問題を期日以内に解決できる可能性が高いことです。また、問題解決のスペシャリストであるコンサルティング会社に依頼すれば、自社の従業員では気が付かなかった問題を明るみにしたり解決策を提示したりしてくれます。 また、有料でコンサルティングを行う以上、一定の成果を出してくれます。
一方、デメリットとしてはコンサルティング会社との相性が悪かったり得意分野から外れた問題だったりすると望むような結果が出ない場合もあります。特に、「固有技術の問題だと思ったら管理技術の問題だった」といった場合、コンサルティング会社のアドバイスに従ってもうまく行かないケースが多いでしょう。
問題解決に有効な教育を受ける
管理技術や固有技術に関する問題が明るみになっている場合、外部から講師を招いて従業員を教育してもらう方法があります。
例えば、「生産管理、工程管理の最新のフレームワークを知りたい」といった場合は、最新の知識や技術を持っている講師からレクチャーを受ければ解決するケースもあるでしょう。 また、固有技術を高めるために特別な技術を学びたいといった場合にも講師を招いてレクチャーを受ける方法は有効です。
しかし、講師を見つけるのが大変といったデメリットもあります。多くの企業が抱えている問題ならば、同じ職種で構成された団体が、講習を開催してくれる場合もあるでしょう。しかし、ピンポイントな問題を解決したい場合は、自社で講師を探す必要もあります。
SAT PROを使えば問題解決に適した講師が見つかるかも
SAT PROを利用すれば、問題解決に適した講師を見つけられます。希望する分野、解決したい問題等を入力すれば、ニーズに合った講師をマッチングしてくれます。
自社の都合に合わせて社内講習を行いたい場合は、希望日時も入力して講師を探してみましょう。
まとめ:固有技術と管理技術は会社の発展のために必要な技術
固有技術と管理技術は、両方とも会社の発展のために必要な技術です。
どちらかに不備があったり技術力が弱かったりしても、会社の発展が損なわれます。技術が足りない、もしくは技術はあるのに生産性が上がらないといった場合、どちらに問題があるか明らかにしたうえで、対策を講じる必要があります。