第三種電気主任技術者

【2024年版】電験三種のCBT方式とは?近年の試験回数増加についても解説!

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電験三種(第三種電気主任技術者試験)の試験制度が2022年度から大きく変わり、試験の回数が年1回から年2回へとなりました。

さらに2023年度にはCBT方式という新たな試験方法が開始されました。試験制度が変更される背景には、電気保安業界が抱える高齢化と人材不足の問題があります。

今回は、近年の電験三種の試験制度の変化や、CBT方式の概要やメリットなどを解説します。

近年、電験三種試験制度はどう変わった?

2022年以降に変更された、電験三種試験制度の具体的な内容を見ていきましょう。

試験回数が年2回に増加した

電験三種の新試験制度では、2022年度試験から、試験回数が年1回から年2回へと増えました。

上の動画でも紹介していますが、電気技術者センターより、2024年(令和6年)度の試験日は以下の通りでした。

  • 上期試験
    筆記方式:2024年8月18日(日)
    CBT方式:2024年7月4日(木)~7月28日(日)
  • 下期試験
    筆記方式:2025年3月23日(日)
    CBT方式:2025年2月6日(木)~3月2日(日)

1回目の試験で不合格になった場合でも、年内に再び受験できるのは受験生にとって大きなメリットです。

また試験方式として、CBT方式が追加されました。ここからはそのCBT方式についてみてみましょう。

新たに「CBT方式」が導入される

CBT(Computer Based Testing)方式とは、コンピューターを使って受験するシステムです。テストセンターに赴き、会場に用意されたパソコンを使って解答します。令和5年度の試験から導入されています。

この試験方式にはさまざまなメリットがあるので紹介していきましょう。

試験会場や受験日時が広がった

まずメリットの一つとして挙げられるのが、CBTテストセンターが全国各地にあり、受験会場や受験日時の選択肢が格段に広がることです。ですので、今までの試験制度と比較すると、悪天候や災害など、トラブルが発生した場合も柔軟に対応しやすくなったと言えるでしょう。

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例えば令和6年度上期の場合、2024年7月4日(木)~7月28日(日)の25日間の中から好きな日を選ぶことができます。

また、CBT方式の試験日は一度申し込みをした後でも変更が可能です。なお変更できるのは試験実施日の3日前までとなっています。

また、試験会場も筆記試験の会場よりも格段に多いです。そのため、自宅や勤務先の近くで受験ができる可能性が高くなりました。

科目毎に受験ができる

従来の筆記方式の試験であれば、理論、電力、機械、法規の4科目を全て1日で受験する必要がありましたが、CBT方式の場合は例えば1科目で1日受験し、4日間かけて受験することも可能です。

もちろん2科目ずつ2日間に分けて受験するということもできます。

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試験会場に行く回数は増えてしましますが、集中して受験ができる点や体の負担もかなり軽くなる点などは、大きなメリットと言えるでしょう。

試験の体験が事前にできる

CBT方式は、問題用紙と解答用紙がパソコンの画面上に表示され、キーボードやマウスで解答する方法です。試験会場では紙のメモ用紙が配布されますので、計算や回路図などはそちらに下書きすることも可能です。

しかし、普段からパソコンを扱っている人であってもどのような操作方法かが分からないと不安な方も多いと思います。電験三種のCBT方式の試験は、事前に試験の体験が可能です。受験予定の方はこちらをまず体験されてから本番へ挑むと良いでしょう。

従来のままのこと

一方で、受験回数が増えたことやCBT方式の導入以前と変わらない点もありますので、そちらも確認していきましょう。

科目合格の有効期限

科目合格とは、60点以上獲得した科目が以後5回試験を受けるまで免除される制度です。

電験三種の試験は令和4年度より年2回になりましたので、1年に2回試験を受けるならば、2年半、科目合格を維持できます。電験三種の試験問題は範囲が広いため、はじめから複数回の試験を受ける計画を立てる方もいます。

電験三種の価値

電験三種は独占業務が行える国家資格です。電気設備があるところは必ず選任が必要なので、将来的に需要が増えることがあっても減ることはまずないでしょう。

また、資格は転職の武器にもなり、独立も可能です。仕事の幅を広げたい方や収入をアップしたい方にはとても有効な資格です。電気工事士と併せ持っても役立ちます。

電験三種の試験制度が変わる背景

電験三種で試験制度が変更される背景には、電気保安人材の高齢化と、人材不足の問題があります。

現在は特に、保安系の外部委託業者における就職率の低迷が顕著な状況です。 電験三種有資格者が従事する業種を、就職率の高い順に紹介します。

電験三種取得者の就職状況
No.職種就職率
1その他26%
2製造26%
3ビルメンテナンス14%
4公務員13%
5電力10%
6電気工事6%
7建設(電工以外)3%
8外部委託2%

出典:経済産業省

ご覧のとおり、電験三種の取得後、保安系の外部委託業者へ就職する率は「2%」とごくわずかです。

電験三種の有資格者は人数が多い反面、多くの人が他業界に就職しているのが実態といえます。 外部委託業界では、2030年には2,000人も人材が不足する見込みです。

保安系の外部委託業者は、今後加速する再生可能エネルギー発電設備に欠かせません。特に、地方の再生可能エネルギー発電施設においては、保安人材の大幅な不足が懸念されています。

入職者を増やす取り組みを行い、仮に保安人材が1%増えたとしても、不足する2,000人の確保は困難でしょう。

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そのため、電験三種の受験制度を見直し、有資格者の母数を増やすことで人材不足の解消につなげる狙いです。

【CBT方式の電験三種】有効な受験対策を紹介

受験制度の変更点を踏まえた、電験三種の受験対策を紹介します。

科目別合格制度を最大限に活用する

受験が年2回に増えることで、科目別合格制度がさらに利用しやすくなりました。

科目別合格制度の3年間の有効期限です。3年間のうちに受験の機会が2倍に増加しました。

有効期限の年数を最大限に活用すると、1科目ずつ集中的に勉強する方法での合格も可能です。科目で不合格になったとしても、受験機会が多いことでモチベーションを保てるでしょう。

実際、CBT方式が開始された令和5年度の試験では、合格率が上期で16.6%、下期で21.2%と今までの試験に比べて大きく上昇しました。

ただし、こういった情報に影響を受けてかえって油断する可能性も考えられます。試験回数の増加や試験制度の変更はありましたが、試験の難易度は今までと変わりません。

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試験対策が長期間におよぶ可能性もあるため、コツコツと勉強することが大事です。

出題範囲をまんべんなく勉強する

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電験三種は、出題範囲が広く各科目の関係性が深いため、長すぎる年月をかけて勉強は効率が悪い方法です。電力と機械は並行して勉強すると覚えやすく、法規は最後に勉強すると理解しやすくなります。

また、電験三種は早めの勉強が合否を左右するため、効率よく勉強できる通信講座を活用しましょう。

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CBT方式の電験三種試験は、はやめの対策がカギ!

電験三種の試験制度が変わった理由には、電気保安人材の高齢化と人材不足が挙げられます。再生可能エネルギー発電設備の増加が予想されるなか、現在は保安系の外部委託業者が極端に少ない状況です。

試験制度の見直しで、年2回への試験回数の増加、パソコンで回答するCBT方式の導入などで合格しやすい状況になるでしょう。実際、CBT方式が導入された令和5年度の合格率はこれまでと比べて大きく上昇しました。

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とはいえ、電験三種試験の難易度自体は変わらないため、早めに勉強を開始することが大切です。

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電験三種の試験回数増加やCBT方式のまとめ

電験三種の試験がどう変った?

電験三種はの試験は2022年度より年1回から年2回に増えました。したがって、合格する可能性も高まるといっていいでしょう。
特に、科目合格を狙っている方にとっては、半年に1回試験が受けられるようになるのは大きなメリットです。

CBT方式とは?

2023年より電験三種の試験はCBT方式が新たに導入されました。 従来の試験方法は筆記方式でしたが、CBT方式ではパソコンにマウスやキーボードで解答を記入します。なお従来の筆記方式でも受験は可能です。

今後の受験対策は?

試験方法の回数が増えて試験方式が変わっても受験対策は基本的に変わりません。 むしろ、年2回に試験が増える分勉強するモチベーションが保ちやすくなるでしょう。
また、CBT方式で試験を受ける場合は、パソコンやマウスの操作にも慣れておきましょう。

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