電験三種(第三種電気主任技術者試験)は、5万ボルト未満の電気工作物における、工事や維持、運用に関する保安監督ができる国家資格です。
合格率が例年10%程度と難易度がとても高い試験なので、科目ごとにしっかりと勉強することが大切です。
今回の記事では、電験三種の科目別の勉強法と、通信講座をおすすめする理由について解説します。各科目を攻略する順番についても確認してください。
目次
電験三種の試験内容と出題形式について
電験三種は、理論・電力・機械・法規の4科目において、各科目60点以上の点数を獲得することで合格できます。
マークシートに直接記入する五肢択一方式で解答し、出題形式は計算問題、穴埋め問題、正誤判定問題の3パターンあるのが特徴です。
具体的な試験内容と試験時間については、次の表を参考にしてください。
科目 | 試験内容 | 試験時間(※) |
---|---|---|
理論 | 電気理論、電子理論、電気計測および電子計測に関するもの | 90分 |
電力 | 発電所および変電所の設計および運転、送電線路および配電線路(屋内配線を含む)の設計および運用ならびに電気材料に関するもの | 90分 |
機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクスならびに電力システムに関する情報伝送および処理に関するもの | 90分 |
法規 | 電気法規(保安に関するものに限る)および電気施設管理に関するもの | 65分 |
参照:一般財団法人 電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者の受験案内」
【科目別】電験三種の勉強方法
電験三種の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目にわかれています。各科目で重点的に勉強すべきポイントと、攻略する順番について見ていきましょう。
【理論】基礎を徹底して全ての土台となる知識を身に付ける
理論は、電気によって起こる現象や性質、法則などが問われる科目で、電磁気・電気回路・電子回路の3分野で構成されています。
直流回路や電磁力、オームの法則、ブリッジ回路、フレミングの法則など、中学・高校の数学や理科で習う内容を土台として解く問題が多く出題されます。
そのため、これらの内容を忘れてしまった方は、中学・高校の数学と理科を復習してから、理論に取り組むことがポイントです。
また、出題傾向は8割が計算問題、2割が穴埋め問題、正誤判定問題です。 理論の内容は4科目に通ずる基礎となるので、参考書と問題集を用いて勉強しましょう。
【電力】4分野の違いを理解して過去問を繰り返し解く
電力は、発電から電気が供給されるまでの仕組みに関する問題で、発電・変電・送配電・電気材料の4分野から出題されます。
電力会社などで発電や送電に従事している方は、比較的解きやすい問題が多く出題されるため、重点的に勉強して点数を稼ぎましょう。
また、計算問題と文章問題はおおよそ半分ずつ出題されます。 文章問題を解くには膨大な知識の暗記が必要なので、計算問題から対策すると効率的です。
また、電力は比較的出題傾向が似通っているため、過去問を繰り返し解くことで合格する力は身につくでしょう。
【機械】4機を攻略して得意な分野を増やす
機械で出題される問題は、電気を作る機械や電気を使う機器に関する問題です。 出題される問題の分野が非常に多いので、受験生にとって特に難しい科目と言われています。
電気を作る機械の分野では、変圧器・直流機・同期機・誘導機の仕組みの専門的な知識を問われる問題が配点の70%を占めるため、違いを理解して勉強することが重要なポイントです。
また、計算問題は全体の半分ほど出題されますが、等価回路に書き換える知識と、理論の知識で解ける問題を中心に出題されます。
問題の分野が非常に多い機械は、4機を攻略して得意な分野を増やしていくイメージで勉強しましょう。確実に点数を稼げる分野をみつけておくと余裕を持って試験に挑めます。
【法規】暗記問題よりも計算問題を先にマスターする
法規で出題される問題は、電気事業法などを問う電気関係法規・電気設備の設置基準・電気設備管理の3分野です。
約4割は計算問題が出題され、正誤判定と穴埋め問題では法律や基準の暗記が必要です。
穴埋め問題では法律に基づいた「数値」も出題されるため、語句だけでなく、全ての内容を暗記しなければいけません。
計算問題は理論・電力・機械の知識が必要ですが、実際の問題は電力の計算問題と似ているので、まずは計算問題から着手すると効率的に勉強できます。
電験三種は「理論」→「電力・機械」→「法規」の順番で勉強する
上記を踏まえたうえで電験三種はどの科目の勉強からスタートするのがよいのでしょうか?
結果からお話しすると、理論から始めるのがベストです。
理論で出題される計算問題は、その他3科目の計算問題を解くうえで必要な知識の基礎的部分です。
逆に言うと、理論の計算問題が解けなければ他の科目で出題される計算問題は解けません。
直・交流回路やベクトルを徹底して対策することで、電力や機械などで出題される計算問題を解ける力が身に付きます。
理論を勉強した後は、電力と機械の勉強を進めてください。最後は暗記がメインとなる法規に取り組むとよいでしょう。
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電験三種の勉強時間は?
では、具体的にどの程度の時間を勉強に充てれば良いのでしょうか。
合格した人はどれくらい勉強した?
電験三種の試験に合格するために必要な勉強時間は、約1,000時間が目安といわれています。あくまでも目安ですから、個人差はあるでしょう。
しかし、電気工事士の有資格者でも、工業高校、大学の工学部出身でも電験三種の試験をスムースに通過するのは難しいといわれています。
はじめて挑戦する方は1,000時間を目安にしてみましょう。
理系科目の理解度で勉強時間は変化する
電験三種の試験科は高校卒業レベルの物理が理解できていればスムーズに解くことができるといわれています。
したがって、高校の普通科であっても物理を選択して得意だった人と、高校では物理にほとんど触れなかった人では、理解度に大きな差がでて、勉強時間も変わってきます。
毎日少しずつ、かつ効率よく勉強することが大切
電験三種の試験科目は、知識が問われる問題と計算力が問われる問題の両方が出題されます。
一夜漬けでなんとかなる問題ではありません。毎日少しずつ勉強して行くことが重要です。
また、分らないことを重点的に勉強していきましょう。
電験三種は独学より通信講座をおすすめする理由
電験三種は、独学での勉強も可能ですが、わからない問題や苦手な分野でモチベーションを維持しづらいため、通信講座の受講がおすすめです。
そこで、独学よりも通信講座をおすすめする理由と、通信講座のメリットを紹介します。
カリキュラムに沿った動画とテキストで勉強できる
通信講座は動画で講座を視聴し、その内容に沿ったテキストで勉強する方法です。
動画とテキストはカリキュラムに基づいているので、スケジュール管理が簡単に行えます。
また、講座はプロの講師によるわかりやすい解説があり、テキストは重要なポイントを押さえているので、効率よく勉強するのに役立ちます。
一方、独学では数ある参考書や問題集から、わかりやすいものを探す必要があるだけでなく、勉強計画やスケジュールも全て自分で管理するため、挫折する可能性があります。
わからないときはサポートが受けられる
独学ではわからない問題を質問する環境がありません。 そのため、勉強に対するモチベーションが低下しやすいのが問題点です。
一方、通信講座は質問できるサポートが整っており、独学よりも安心して勉強に取り組むことが可能です。
質問をしたい場合、メールを使い文章で質問を送ったり、またスマホで質問を撮影し、通信講座のシステム上にアップロードするという方法でも質問できます。
質問できるという安心感は独学にはないメリットなので、素早く理解できるためのサポートは、仕事をしながら勉強する方に最適といえるでしょう。
まとめ
電験三種の試験の内容や形式は?
電験三種の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目であり、2022年まではマークシート方式の筆記試験で行われます。
なお、2023年からCBT方式が導入される予定です。計算力と知識の両方を問われる形式です。
電験三種の勉強方法は?
電験三種の勉強法は、物理の「電気」の知識があるかどうかで変わります。 知識がある場合は参考書を読んで過去問を解いていきましょう。
知識がない場合は、まず公式を理解するところからはじめなければなりません。時間をかけることが重要です。
電験三種の科目別の勉強する順番は?
科目を勉強する順番に特に決まりはありませんが、まず「理論」を勉強し、続いて「電力・機械」、最後に「法規」を勉強するのがおすすめです。
理論は電力や機械の範囲もカバーしているので、理論が理解できれば電力や機械の学習もスムーズに進むでしょう。 法規は暗記するものが多いので、試験前の勉強がおすすめです。
電験三種は独学でより通信教育がオススメなの?
電験三種の試験勉強は理解度が低いほど独学で合格レベルまで勉強するのは難しいでしょう。
通信教育ならば、メールなどで分らないところはすぐに質問してもらえます。また、模擬試験も添削してもらえるので、理解度が高まります。
予備校に通っているような感覚で利用できる通信教材がおすすめです。
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