第三種電気主任技術者

電気主任技術者とは?役割・仕事内容・種類について徹底解説

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電気主任技術者とは

電気設備を持つ事業主は、事業用電気工作物(電気設備)の保安のために、電気主任技術者の資格を持つ者を監督者として選任しなければいけません。
つまり電気主任技術者とは、工場やビルなどの電気設備に関する工事・保守、運用などの保安監督者として従事する方や資格のことです。

電気主任技術者の資格は、取り扱う事業用電気工作物の電圧によって「第一種」、「第二種」、「第三種」の3つに分かれています。

  • 第一種電気主任技術者:電圧の制限なし
  • 第二種電気主任技術者:17万V未満
  • 第三種電気主任技術者:5万V未満(ただし出力500 kW以上の発電所を除く。)

一般的なビルや工場は電圧5万V未満(第三種電気主任技術者)で、中規模なビルや工場でも17万ボルト未満(第二種電気主任技術者)です。
発電所などの大規模設備で保安監督者として従事する場合、取り扱える電圧に制限がない、第一種電気主任技術者が必要とされます。

電気主任技術者の仕事内容

電気主任技術者が監督者として従事する保安業務は大きく分けて3つあります。ここでは電気主任技術者の3つの業務内容を解説します。

電気設備の点検作業

電気設備の点検は法律で定められた法定点検や、月次の定期点検等が挙げられます。また毎日、設備に異常がないか確認することもあります。ここでは主な点検作業を解説します。

(1)電流値や電圧値の確認
電気制御盤のメーターの数値の記録やテスターによる電流・電圧の計測・記録作業です。異常があれば、問題を特定し対応します。

(2)絶縁抵抗測定
電流の流出、漏れを防ぐ絶縁体の抵抗を測定し、絶縁破壊等の事故を防止します。

(3)配線のネジの緩みのチェック
ネジでとめられた配線が緩むと、電流が遮断されることによる停電や、接触抵抗の増大による火災(ジュール熱による配線の過熱)などの原因となるため、ネジの点検も欠かせない業務です。

(4)非常用発電機の始動試験
緊急時に使われる非常用発電機について、動作開始までの時間や燃料の消費量、出力電圧などを点検します。

電気設備の清掃作業

ほこりなどが原因となる配線の短絡(ショート)を防ぐため、点検時に電気設備の清掃も行います。なお電気設備における短絡(ショート)とは、ほこりなどの抵抗が小さなものに電流が流れてしまうことによって、回路に過度の電流が流れてしまう現象で、電気設備の故障の原因となります。

電気設備の故障対応作業

電気設備に故障が発生した場合、専門の電気工事士に修理を依頼します。そして電気主任技術者は修理作業に立ち会い、修理作業の監督などを行います。

電気主任技術者と電気工事士との違い

電気主任技術者は設備管理や点検作業などが主な業務で、電気工事士は配線や機器設置、修理などの電気工事が主な業務です。

つまり電気主任技術者は故障(異常)を発見すること、電気工事士は修理(異常を正常な状態に戻す作業)を担います。

主任技術者になるには

 

まずは電気主任技術者試験に合格しなければいけません。試験は「理論・電力・機械・法規」の筆記試験で、科目合格制が採用されており、3年間で4つの試験に合格することが求められます。

なお、第三種電気主任技術者試験は1次試験のみ、第一種電気主任技術者と第二種電気主任技術者の試験は1次試験と2次試験に分かれています。

第三種電気主任技術者になる方法は次の2種類です。

  • 第3種電気主任技術者試験(筆記)に合格する
  • 経済産業省が認定した教育施設(以下、認定校)を卒業して実務経験を重ねて、認定申請によって資格を取得する

ここでは、第三種電気主任技術者になるための方法を解説します。

第3種電気主任技術者試験(筆記)

試験は筆記によって行われ、科目は「理論」、「電力」、「機械」、「法規」の4種類です。

それぞれ100点満点で、各科目の合格点は60点とされています。ただし試験の難易度によって合格点が引き下げられることもあります。

前述したように科目合格制のため、有効期限の3年間で4つの試験に合格しなければいけません。

認定取得申請〜実質的には面接試験

認定校を卒業後、必要な実務経験を積めば、第三種電気主任技術者の免状交付を申請することで、第三種電気主任技術者の資格を取得できます。

ただし、申請時に必要書類に書かれている内容をチェックされ、質問などを受けることから、実質は面接試験とほとんど変わりません。

電気主任技術者試験・問題の内容(理論、電力、機械、法規)

電気主任技術者資格の筆記試験には、前述したように理論」、「電力」、「機械」、「法規」の4分野があります。

問題の内容は資格種別(第一種、第二種、第三種)によって当然、難易度が異なります。ここでは第三種電気主任技術者試験の大まかな出題内容を解説します。

(1)理論:電気や電子の理論と計測に関する問題。直流・交流回路や電磁力、静電気などの原理や法則、基礎知識

(2)電力:発電方法(水力、火力)や送電、配電に関する知識

(3)機械:変圧器・直流機・誘導機・同機機を中心とした、電気に関する機械の知識

(4)電気事業法や電気工事法等の法律や電気設備設置基準や管理の知識

特に難しい科目が「機械」で、出題範囲が広く苦労する方が多い科目です。

あわせて取りたい関連資格

電気主任技術者は電気設備機器を取り扱うため、関連する資格を持っておくと実務や就職に有利に働きます。おすすめする関連資格は以下の4つです

  • 危険物取扱者
  • ボイラー技士
  • 冷凍機械責任者
  • 消防設備士

ここではそれぞれの資格を解説します。

危険物取扱者

危険物取扱者とは危険物の取扱いや定期点検、保安監督を行える資格です。資格は甲種、乙種に分かれており、甲種はすべての危険物、乙種は指定された危険物を対象としています。
危険物を扱う施設で電気主任技術者として従事する場合、危険物取扱者の資格があると仕事がスムーズに進むことがあります。

ボイラー技士

まず、ボイラーとは水や油を電気屋高温ガスによって加熱して、蒸気や温水を作る装置のことです。
このボイラーを扱うにはボイラー技士という資格が必要とされます。
ボイラー技士資格は「特級」、「一級」、「二級」に分かれており、一般的な設備であれば二級ボイラー技士資格でほぼ対応できます。
ボイラー周りの電気設備を扱う場合、ボイラー技士の資格を通じて得た知識が役立つことがあります。

冷凍機械責任者

冷凍機械責任者とは「高圧ガス製造保安責任者」という国家資格の一部で、高圧ガスを用いた冷凍施設で保安業務を行えるようになる資格です。
高圧ガスによる冷凍技術にはビル空調設備等が考えられ、ビルの電気設備の故障対応や点検などの保安業務に活かせます。

消防設備士

建物は用途や大きさによって、消防用設備(スプリンクラーや消火栓など)の設置が義務づけられています。電気主任技術者として従事する施設にも消防設備が整えられているケースがほとんどです。
消防設備に精通していることで、電気主任技術者として仕事の幅が広がる可能性があります。

まとめ

電気主任技術者は電気設備の保安業務に従事するために必要な資格です。保安業務には点検作業や設備の故障対応などがあり、電気主任技術者はビルや工場、病院などさまざまな施設で必要とされる社会的に貢献する仕事と言えます。

電気主任技術者の資格、特に筆記試験は3年間で4つの試験に合格すれば良いため、スキマ時間を活かしてコツコツ勉強することが合格への早道です。

社会に役立ち、就職や転職に有利な電気主任技術者資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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