第三種電気主任技術者

【2024年版】電験三種の試験内容とは?試験攻略方法を完全公開!

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電験三種は難しい試験です。しかし、学習方法を工夫することで、合格を手にすることは可能です。これまで何度も落ちている方でも、あきらめる必要はありません。

ここでは、これから電験三種を目指す方に対して、試験の内容と攻略方法を解説していきます。

電験三種の試験内容を押さえよう

電験三種を攻略するには、試験内容を知ることが重要です。ここでは出題範囲や配点、合格基準、合格率について、解説していきます。

試験日と試験方式

まずは試験日と試験方式を確認していきましょう。

2024(令和6)年度 電験三種 試験日程
試験時期試験詳細
上期試験日 CBT方式】2024年7月4日(木)〜7月28日(日)
筆記方式】2024年8月18日(日)
下期試験日 CBT方式】2025年2月6日(木)〜3月2日(日)
筆記方式】2025年3月23日(日)

上記が2024(令和6)年度の電験三種の試験日程です。

電験三種の試験は年に2回実施されます。以前までは年に1回のみの開催でしたが、資格保持者を増加されるために2022(令和4)年度からは年2回実施となりました。今後しばらくは上期試験は7月〜8月頃、下期試験は2月〜3月頃に実施されるでしょう。

さらに、2023(令和5)年度からはCBT方式の試験が開始されました。CBT方式とは、試験会場にあるパソコンを使って問題を解答する試験方式です。なお従来の筆記方式の試験も開催されています。

出題範囲や配点

電験三種の試験を実施する「電気技術者試験センター」によると、出題範囲は以下のとおりとなっています。

科目名科目の内容
理論電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
電力発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料
機械電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
法規電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理

引用:「電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験」

そして、各科目の配点は以下のとおりです。

問題の種類問題の概要
A問題小問なし。一問一答形式
B問題1問につき、2つの小問がある

科目ごとの配点は以下のとおりです。

科目名問題の種類配点
理論A問題14問出題。各5点。
B問題3問出題。各10点(うち1問は選択形式)。
電力A問題14問出題。各5点。
B問題3問出題。各10点。
機械A問題14問出題。各5点。
B問題3問出題。各10点(うち1問は選択形式)。
法規A問題10問出題。各6点。
B問題合計3問出題。うち2問は各13点、1問は14点。

B問題は配点が多くなっています。したがって、B問題の攻略が合否を分けるポイントといえるでしょう。なお表にもある通りB問題には一部選択問題がありますから、問題の指示をよく読むことも重要です。

合格基準

原則として合格基準は、各科目とも60点以上となっています。ただし、合格点は引き下げられる場合もあり、その場合は55点以上となることが多いです。まれに法規を中心に50点台前半の合格率になることもあります。

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もちろん60点以上取れれば、それに越したことはありません。しかし自己採点で50点台でも合格できる可能性はありますから、あきらめないことが重要です。

合格率

電験三種の合格率は、例年約10%程度です。試験の実施回数の増加やCBT方式の試験が導入されたこともあり、少し合格率が上昇傾向にはありますが、過去には合格率が一桁になったことが何度もある試験です。

なお電験三種には科目合格制度があります。そのため、合格した科目は翌々年まで科目免除が受けられます。しかしこの科目合格率も、以下のとおり高くありません。

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電験三種は各科目そのものが、難関試験に相当します。このため試験を受ける方は、十分な事前準備が必要です。

まずは電験三種の勉強スケジュールを立てよう

電験三種の勉強は、やりやすいところから手当たりしだいに進めても合格できません。事前にどの程度の勉強時間が必要か把握したうえで、スケジュールを立てましょう。

勉強する順番

電験三種を効率的に勉強するには、以下に示す順番で進めることがおすすめです。理由も含めて、以下の表にまとめました。

順番科目理由
1番目理論全ての科目の基礎となるため、最初に取り掛かる必要がある
2番目電力出題傾向があまり変わらず、学習範囲もある程度絞れるため、機械よりも学習を進めやすい
3番目機械学習すべき範囲が広いため、電力の後がおすすめ。ただし得意な方は、機械→電力の順番で学習してもよい
4番目法規問題の4割が計算を必要とする問題。一方で暗記も多いため、試験前のラストスパートが有効

理論科目は全ての基礎であるため、理論がわかっていないと他の科目の学習が進みません。

これは法規科目も例外ではなく、法令のなかにも計算式が書かれているものは多いです。そのため、法規を学習する前に理論を学ぶ必要があります。

勉強時間

電験三種の勉強時間は、1000時間必要です。単純計算で1日3時間としても、およそ1年かかる計算です。これだけ見ても、膨大な労力を要する試験ということがわかります。

みなさまのなかには仕事が忙しく、「平日に3時間も勉強時間を取れない」方も多いでしょう。また電気の職場は駅に近い場所にあるとは限らず、車での出勤となる場合もあります。このような方は、通勤時間を使って勉強するわけにはいきません。

もし平日の勉強を1時間にとどめるならば、土日で6~7時間ずつの学習が必要です。休日を返上する必要があるため、強い意志が求められます。

また2年間に分けて、2科目ずつ試験を受ける方法もあります。この場合は1年あたり500時間で済みますから、毎日1~2時間の学習が目安となります。この程度ならば取り組みやすいと考える方も多いでしょう。ただし、試験を受けるたびに費用がかかるのでご注意ください。

自分の得意・苦手分野によってスケジュールは変わる

電験三種の学習では、中学や高校の数学・理科の知識があるかどうかによりスケジュールが変わります。特に三角関数やベクトル、複素数の知識は、事前にチェックしておきましょう。

もし不安がある方はあらかじめ上記の学習を行っておくと、電験三種の試験勉強をスムーズに進められます。

また多くの方は、4科目のどれかに苦手な科目があるものです。ご自身の得意・苦手分野を把握した上で、時間配分を調整するとよいでしょう。

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学習を始める前、または理論の学習が終わった後に電験三種の過去問を一通り解いて、その結果により時間配分を考えることも1つの方法です。

電験三種の各科目ごとの学習ポイント

ここからは4科目それぞれについて、合格に向けた勉強方法のポイントを解説します。

理論

電気を理解するうえで必要な知識を学ぶ科目です。直流や交流、三相交流、静電気、電磁気などに加えて、電子工学や電子回路についても出題されます。

計算問題が多いため、単に公式を覚えるだけではなく、なぜその公式が導き出せるのか理解した上で、練習問題を数多く解いて公式を使いこなせるようにしましょう。

電力

難易度が高い送配電のボリュームが約半分のため、重点的に取り組む必要があります。計算問題と知識を問う問題は半々です。出題傾向はあまり変わらないため、過去問で慣れておきましょう。

機械

「直流機・同期機・変圧器・誘導機」の4つの分野の出題率が5~7割と高く、同時に出題範囲が広いことが特徴です。4分野をマスターした後に、パワーエレクトロニクスや照明などを学習しましょう。

法規

暗記問題と思ってはいけません。合格には全体の4割を占める、計算問題への対策が必須です。また法令に関する問題は細かい数字まで、1字1句きちんと覚えることが求められます。

出題されない分野もある

電験三種は電気に関する幅広い分野から出題されますが、全ての分野が出題対象ではありません。なかには以下のとおり、出題されない分野もあります。

出題されない主な分野
電流や電圧、抵抗を計測する機器の使い方
職場によって方法が異なる作業(KY、施工前の打ち合わせなど)
回路図や配線変更に関する問題
契約書や品質保証書など
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以上より、合格に近づくにはできるだけ出題されやすい問題に時間をかけることがおすすめです。

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電験三種の試験攻略方法のまとめ

電験三種の勉強するオススメの順番は?

まずは、理論から手をつけましょう。理論は電気を学ぶうえで必要な知識を学べます。さらに、範囲が広いので勉強に時間が必要です。

理論の参考書を読んで分からない場合は、数学の勉強からはじめましょう。理論が大方理解できるならそこから電力も勉強していき、機械、法規と続けてください。

電験三種の理論と電力の勉強方法は?

理論も電力も、計算問題が多くを占めます。

公式を覚えるのはもちろんのこと、計算問題を繰り返し解いて公式の応用方法を身につけていくことが重要でです。

解いた問題の量が多いほど、素早く正確に本番でも問題が解けるようになるでしょう。過去問も解いておくとより完璧です。

電験三種の機械と法規の勉強方法は?

機械や法規は、暗記の部分と計算問題の部分が混じっています。暗記部分と計算部分の両方をバランスよく勉強していくことが大切です。

特に、法規は暗記だけ、計算だけ、と偏った勉強方法をしていると、本番で点が取れません。苦手だからだと避けないようにしましょう。

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