電気工事の施工管理に携わる場合、電気工事施工管理技士資格の取得が一般的です。これから電気工事施工管理技士を目指す方にとって、年収がどれくらいなのかは気になるところでしょう。
施工管理技士の年収は400万円〜600万円程度が一つの目安とされていますが、ここでは電気工事施工管理技士の年収の目安、年収を上げる方法や、仕事内容などについて解説します。
目次
電気工事施工管理技士の平均年収はいくら?

電気工事施工管理技士の平均年収は400~600万円程度とされています。
ただし、勤務先の規模や個人の経験年数、保有している級(1級・2級)によって金額は大きく変動します。
電気工事施工管理技士の場合、1級の方が年収が高い傾向にあります大手ゼネコンでは年収1,000万円になることもあり企業規模が大きいほど年収が高くなる傾向があります。地域別では、関東や関西など大都市圏は年収が高く、地方は年収が低くなる傾向にあります。
【最新データ】1級・2級電気工事施工管理技士の給与分布
2026年現在の最新求人データによると、正社員の想定月給は1級で36.1万円、2級で34.4万円となっています。特に1級は最高月給100万円を超える求人も存在し、資格の有無が給与水準に大きく影響していることがうかがえます。


出典:建設・設備求人のクロスワーク「1級電気工事施工管理技士」


出典:建設・設備求人のクロスワーク「2級電気工事施工管理技士」
【業務形態別】電気工事施工管理技士の平均年収
電気工事施工管理技士の年収は、所属する企業の業務形態によって異なります。特に大規模なプロジェクトを請け負うゼネコンやサブコン(設備工事会社)では、年収が高くなる傾向にあります。
| 業務形態 | 平均年収の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 大手ゼネコン・サブコン | 600万円〜1,000万円 | 1級保持者が求められるケースが多く、手当や賞与も手厚い |
| 地場ゼネコン・電気工事会社 | 450万円〜700万円 | 地域に密着した案件が多く、安定した収入が見込める |
| ビルメンテナンス・管理会社 | 400万円〜600万円 | 施工管理業務に加え、維持管理の知識も求められる |
大手企業では1級資格を保有し、大規模現場の監理技術者を務めることで、30代から40代で年収800万円を超えるケースも少なくありません。
【地域別】電気工事施工管理技士の平均年収
地域によっても年収水準には差があります。物価や需要が集中する首都圏や近畿圏は高くなる一方で、地方ではやや低めに設定されるのが一般的です。
| 地域 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 関東(東京・神奈川など) | 500万円〜750万円 |
| 関西(大阪・兵庫など) | 480万円〜700万円 |
| 東海(愛知・静岡など) | 470万円〜680万円 |
| その他地方圏 | 400万円〜600万円 |
ただし、地方であっても大規模なプラント工事やインフラ整備に関わる場合は、都市部と同等以上の高年収を得られる可能性があります。
電気工事施工管理技士の平均年収を他の電気系資格と比較
電気工事施工管理技士の年収は、他の電気系・建設系資格と比較しても高い水準にあります。施工管理という「現場を動かす立場」の責任の重さが年収に反映されていると言えるでしょう。
| 資格名 | 平均年収の目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 電気工事施工管理技士 | 400万円〜600万円 | 電気工事の工程・安全・品質・原価管理 |
| 電気工事士 | 350万円〜550万円 | 実際の電気工事作業(実務作業中心) |
| 管工事施工管理技士 | 400万円〜600万円 | 空調・給排水などの配管工事の管理 |
| 土木施工管理技士 | 400万円〜650万円 | 道路・ダムなどの土木工事の管理 |
電気工事施工管理技士は、現場作業を行う「電気工事士」と比較して、マネジメント業務が主体となるため給与設定が高めです。また、「管工事施工管理技士」や「土木施工管理技士」などの他分野の施工管理資格を併せて取得することで、さらに希少価値が高まり年収アップに繋がります。
電気工事施工管理技士の基本と、1級と2級の違い

ここでは、電気工事施工管理技士資格における基本的な情報と、1級・2級の仕事内容などの違いについて見ていきましょう。
電気工事施工管理技士の基本情報
電気工事施工管理技士はその名のとおり、電気工事に関する施工管理の技術者として認められる資格です。施工管理技士資格は、工事の種類ごとに7つの区分があり、電気工事はその一つです。
電気工事施工管理技士資格には1級と2級があります。具体的な仕事内容は大きく変わりませんが、電気工事施工管理技士1級と2級では認められる技術者の種類が変わります。
電気工事施工管理技士の1級と2級の違い
1級電気工事施工管理技士は、特定建設業に配置される「監理技術者」と、一般建設業の「主任技術者」として認められる資格です。
一方、2級電気工事施工管理技士は「主任技術者」に限られます。また、建設業の許可に必要な「専任技術者」の場合、1級は「特定建設業」、2級は「一般建設業」として認められます。
監理技術者の配置が必要なのは、下請契約の請負代金総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる工事の元請業者です。1級保持者はこうした大規模な下請を出す現場で監理技術者になれる一方、2級保持者はそれ未満の現場で主任技術者として活躍することになります。
施工管理技士試験は、旧学科試験の【第一次検定】と、旧実地試験の【第二次検定】を受験する仕組みです。1級の第一次検定・第二次検定、2級の第一次検定・第二次検定とで試験が分かれています。
試験の受験資格も、1級と2級で違いがあります。受験資格は令和6年度から新しくなっており、第一次検定は2級の場合は17歳以上、1級の場合は19歳以上で受験が可能です。なお第二次検定ではそれぞれの級で所定の実務経験が必要です。
ただし、電気工事施工管理技士は施工の管理を行うための資格で、実際の電気工事そのものに携わることはできません。電気工事を行う場合は、電気工事士といった別の資格が必要です。
電気工事施工管理技士の仕事内容
電気工事施工管理技士は、電気工事の施工管理における4大管理を担います。4大管理とは、工程管理・原価管理・品質管理・安全管理のことで、建設現場を包括的に管理する業務を指します。
下記にて4大管理について概要を解説します。
施工管理における4大管理の概要
1. 工程管理
納期に工事を完成させるために、スケジュールを管理する業務です。事前に工程表を作成したうえで、現場の進捗状況を把握しながら柔軟にスケジュールを調整します。
2. 原価管理
人件費や、資材・建設機械などのコストを管理する業務です。予算内で工事を進めて利益を出すことに加え、工事を円滑に進め、品質を管理することも原価管理の一環といえます。
3. 品質管理
設計図書で求められる品質、自治体で定める基準を満たしているか管理する業務です。建物の安全性に関わる重要な業務、かつ原価管理とのバランスが求められる高度な業務といえるでしょう。
4. 安全管理
工事中の事故を未然に防ぐため、建設現場の安全を確保する業務です。手すりの設置や安全帯の使用、朝礼での注意喚起、ヒヤリハット活動など、さまざまな手段で安全を管理します。

また、建設現場に立つ業務だけでなく、書類作成のデスクワーク、施主や社内メンバーとの打ち合わせも施工管理の仕事です。
関連リンク:電気通信工事施工管理技士の仕事内容や魅力を徹底解説!
電気工事施工管理技士の資格を活かせる転職先
電気工事施工管理技士の資格を持つ人材は、建設業界において非常に重宝されます。主な転職先と求人の傾向は以下の通りです。
- 大手ゼネコン・サブコン
大規模なビル、スタジアム、インフラ工事などを手がけます。非常に高い年収と福利厚生が期待できますが、その分1級資格と豊富な実務経験が求められます。 - 設備工事会社(電気工事業者)
新築マンションや工場の電気設備を専門に請け負う会社です。現場に直結した管理スキルが活かせます。 - ビル管理・メンテナンス会社
オフィスビルや大型商業施設の維持管理を行います。施工管理からメンテナンス職へ、ワークライフバランスを重視して転職するケースも多いです。
現在、建設業界は深刻な人材不足にあります。有資格者は「引く手あまた」の状態であり、好条件の求人を選びやすいのが現状です。
電気工事施工管理技士として年収を上げる方法
最後に、電気工事施工管理技士として年収を上げる方法を3つ紹介します。
1級電気工事施工管理技士を取得する
2級電気工事施工管理技士のみを取得している場合、工事の規模に制限がない1級を取得しましょう。監理技術者になれる1級の施工管理技士資格は2級より評価が高く、待遇面でも優遇されるメリットがあります。
なお、多くの企業では施工管理技士に資格手当が支給されますが、2級よりも1級の額が高いことが一般的です。
また、1級施工管理技士の第一次検定に合格すると、監理技術者の補佐を務められる「1級施工管理技士補」の資格が得られます。

監理技術者の補佐で経験を積めるため、1級を取得後の実務もスムーズに運ぶでしょう。また、施工管理技士補に有効期限はなく、いつでも第二次検定を受験できます。
実績を積んで昇進する
施工管理として地道に実績を積むことで、管理職として昇進するチャンスもあります。管理職になった場合、大幅な年収アップが見込める可能性があります。

施工管理は経験年数と比例して年収が上がる傾向にあるため、昇進が年収をアップさせる重要な要素といえるでしょう。
大手企業に転職する
施工管理の人材が不足しており、建設業界全体で施工管理技士の確保が急務となっています。高齢化で施工管理技士が減少するなか、有資格者の増加率が追いつかないのが現状です。
そのため、ほとんどの建設会社では、経験者の中途採用(キャリア採用)を積極的に行っています。さまざまな現場で経験と実績を積むことで、大手ゼネコンなど好待遇の企業に転職できる可能性も高まるでしょう。
電気工事施工管理技士は建設会社だけでなく、電気工事会社・ビルメンテナンスなど、就職先の選択肢が幅広くあります。また、電気工事施工管理技士は需要に対して有資格者が不足しているため、資格の希少性を活かし、より自分に合った企業を選ぶことも可能です。
電気工事施工管理技士の将来性について
電気工事施工管理技士は、今後も非常に高い需要が続く「将来性の高い資格」です。その理由は主に2点あります。
- 脱炭素社会とエネルギー転換への対応
EV(電気自動車)の充電設備の設置や、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入、省エネ化に伴う電気設備の改修工事が全国で増え続けています。 - 老朽化したインフラのメンテナンス
高度経済成長期に整備された建物や設備の更新時期が重なっており、維持・管理のための施工管理技士の力は不可欠です。
AIの進化による自動化が進む現代でも、現場の状況を判断し、関係各所と調整を行う施工管理の業務は、人間ならではの対応が必要とされる職種であり、安定した地位を保ち続けるでしょう。
電気工事施工管理技士は、資格取得で年収アップを狙おう
電気工事施工管理技士は1級と2級があり、携われる建設現場の規模や、配置できる技術者の種類に違いがあります。電気工事施工管理技士の平均年収は400~600万円ですが、経験年数や地域・企業規模などによって差が生じます。
電気工事の施工管理として年収を上げる方法としては、1級電気工事施工管理技士の取得・社内での昇進・大手企業への転職の3つがあります。これらのなかで最も確実に収入が上がるのは、資格手当の条件がよい1級の資格取得でしょう。
電気工事施工管理技士の受験対策
電気工事施工管理技士の受験対策としては、通信講座がおすすめです。
SATの通信講座の例で紹介すると、電気工事施工管理技士の試験対策をオンライン(Web)またはDVDでの講義動画視聴と専用のテキストの両方を使って進めていきます。
講義動画はオンラインで視聴できるため、通勤や仕事の休憩中などのスキマ時間を有効活用できます。また、検定に出る要点に絞っているため、効率的に合格に必要な力が身につきます。
1級一次、1級二次、2級一次二次と3つのコースがありますので、すでに2級を所持していて1級にチャレンジしたい方にもおすすめです。

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